塗ってみると難しい、透明感のある表現。キラキラした透明感のある表現はデジタルイラストならではの魅力のひとつです。今回は水に浮かぶ氷と果物を題材に透明感のあるモチーフの描き方をご紹介します!
▼目次
水面に浮く物の描き方
水面に浮くものを描く場合、はじめから全部線画で描いてもいいのですが、モチーフが増えると複雑になるので今回は別に描いたパーツを追加しています。
どちらの方法でもレイヤー効果やハイライトの入れ方などは同じなので描きやすい方で問題ありません
氷の描き方
コップや水面などベース部分を描いたら氷を描き入れます
ここでの氷らしく描くポイントが2つあります。
- 立方体の角を落とし溶けかけて丸くなった様子を表現します。
- 水面の位置を考えてアタリを入れます。立方体をまっすぐに切った時の切り口が水面のラインになりますが、数が増えると複雑なるのであまり深く考えず違和感ない程度で大丈夫です。
氷に色を塗りました。
このとき、氷のレイヤーはすべて統合し、水面のアタリに沿ってカットしてレイヤーを分けました。また、水上にある部分はそのままにして、水中のレイヤーモードを乗算に変更しています。
氷の色が薄い部分に、水中からスポイトした青色を重ねて乗算にします。
水面のラインに沿って白でハイライトを入れましょう。ペンツールなどエッジの固いペンを使います。エアブラシなどでぼかしてしまうと水がドロっとした印象になるので注意です。
あとから氷を描き入れたせいでガラスの質感が消えてしまったので、一番上に乗算レイヤーを作り、薄紫色を重ねました。
さらに上からガラスのハイライトを入れて、白で細かい粒々を描き足し、水滴のきらめきを表現して完成です。
果物の描き方
次は果物を描いていきます。手順は氷と同じです。
まずは、後からパーツを足していく描き方をしているので不必要な部分を消してください。
- 氷と被る部分は消しておく
- 線画が上に出る場合は消しておく
水中と水上でレイヤーを分け、水中はレイヤーモードを乗算にします。グラスの底がレモン越しに透けていて不自然なので、ぼかしブラシを使って模様をなだらかにならしました。
このままだと氷が不透明なので、果物の色をスポイトして透けているように軽く色を乗せます。
水面のラインに沿って白でハイライトを入れます。ペンツールなどエッジの固いペンを使いましょう。エアブラシなどでぼかしてしまうと水がドロっとした印象になるので注意です。
キャラクターの描き方
最後にキャラクターを描き加えます
キャラクターのレイヤーをすべて統合し、水面のアタリに沿ってカットしレイヤーを分けました。さらに、氷で隠れる部分を消しました。水上にある部分はそのまま、水中のレイヤーモードを乗算に変更しています。
水面のラインに沿って白でハイライトを入れます。ペンツールなどエッジの固いペンを使いましょう。エアブラシなどでぼかしてしまうと水がドロっとした印象になるので注意です。
肌が濡れた表現をするために乗算で濃い肌色を塗りました。
白で細かい粒々を描き足し、水滴のきらめきを表現します。
キャラクターが作る影を描き加えます。寄りかかっているレモンと背中の間に濃い影を入れることで立体的に見えます。他にも細かく影入れていきます。
明るさが足りないと思った部分に光を追加しました。
氷と氷の間など暗い部分が黒くなりすぎたので、調整レイヤーを使い全体的に明るさを上げて完成です!
著・画 珠樹みつね
イラストレーター。ソーシャルゲームのカードイラストを中心に、3DS用ゲームの背景や食玩のオマケイラストなどジャンルを問わず活躍。Webのイラスト講座なども多数手掛ける。
ホビージャパンより著書「CLIP STUDIO PAINT キラキラの描き方 宝石・鉱物・金属などを輝かせる塗り絵テクニック」好評発売中。
Twitter:https://twitter.com/tamaki_mitune