シルエットの強調が大切!メカ・サイボーグの描き方
2020.06.16
koutetu yarouです。前回に引き続き、メカ系少女のデザイン、シルエット・ディテールの決め方。また、それを最大限に生かす構図を決めるときに自分が考えていることを紹介していきます。
▽目次
印象的なシルエットを決め方
メカ系少女は、ダイナミックなパーツや身体構造を使って演出できることが強みの一つです。人間の体では出せないボディラインを演出することによって、人々の目に留まる作品を作れることもできます。サイボーグアームや強化レッグなど、自分の考える世界観を表現していきましょう。
今回は、巨大なサイボーグアームを前面に突き出しつつ、パースでより大きく見える印象を目指しています。また、ポーズそのものはアクションしているわけではないので、髪をなびかせることにより、空気感を出すことを狙いました。前回の講座でも述べたように、三角形のシルエットも忘れずに盛り込んでいきます。
今回、閲覧者に一番見せたいポイントは「腕と顔」です。
ですので、アーム部分・そしてキャラクターの命である顔に気合を入れて描いていきます。
前回のコラムで描かせていただいたように、女性的なボディとのギャップを狙って頑強そうなパーツ構成にしました。
殴り合いが得意そうなキャラクターにしたいと考えたので、拳の打撃部にゴテゴテとしたボルトを埋め込みました。肩にも同じようなパーツを付けて、打撃部として使用することを演出します。
こういった戦いのためのパーツを盛り込むことで、デザインから設定が伝わるようにします。
人間の体の構造をデザインの下地にすることで、デザインの意図を分かりやすくしました。今回の場合、上腕二頭筋にあたる筋肉を、シリンダーで代替したり、肩回りの可動部を意識してデザインしています。
ポーズは挑発的で、より強そうなイメージにしました。
大きな腕のデザインにしているので、体はシンプルにしています。メリハリのある画面を生み出すのが狙いです。
「女性的なボディラインを描きたい」とも思ったので、ボディラインの出る服を着せていました。
ライティング・シェーディングに入ります。
今回はトップライトで、カッチリと影を入れました。
表情はとても大事です。今回はいかにも殴り合いが好きそうな表情にしてみました。キャラクター性にマッチするように、紫のタイトなワンピース、情熱的な赤のアームというイメージで塗っていきます。
現状の絵だけでは普通の立ち絵です。これだけでは自分が見せたいポイントに集中して視線を集めることは難しいかもしれません。前述した最も見せたい部分「腕と顔」にフォーカスしてもらうことを意識してみましょう。
一般的に人は画像を見たときに、視線を集めやすいポイントがあると言われています。
今回はそれを意識して「三分割法」を使ってみました。
画面に3分割の線を引いて、その交差点に見せたいポイントを配置すると、見栄えのある構図になります。また、キャラクターに角度を付けて動きを与えました。
さらに、この段階で体にリムライトを盛り込みました。
この青いリムライトによってボディラインを強調し、女性的な美しさに気づいてもらえるようにしています。
赤基調のキャラクターに対して、背景に青のラインを入れることで補色を使っていきます。
そして三分割法を使って、腕と背景の顔に視線を集めます。
空いた右下にエムブレムを入れて完成です。
以上が、私が作る場合のキャラクターアートになります。
意識的にディテールの詰める場所、開ける場所を作ることや、構図を考えることで、作者自身が見せたい部分を強調することが可能になると思います。作品は人に見てもらってナンボだと考えています。より効果的にテクニックを使ってアピールしていきたいですね!
今回の講座、是非活用していただければ幸いです!
フリーランスコンセプトアーティスト・イラストレーターとして活動中。