効果的なシルエットを覚えよう! 水泡の描き方
2020.09.23
前回にご紹介した水泡の描き方講座を発展させ、今回は実際のイラストに水泡を重ねてどのようにイラストのクオリティを上げていくかについてご紹介します。
前回の水泡の描き方を元に、実際のイラストに重ねて使用するとこのような画面を作ることができます。
実際に水中の絵でなくても画面が華やかになったり、幻想的な雰囲気になるので何か足りないなというときでもおすすめです!
ですが、水泡をただ画面に乗せただけでは埋没してしまい色合いも合っていないので加筆修正します。
水泡の下に通常レイヤーを新規作成して、白色で塗りつぶします。
真ん中をエアブラシでふんわりと消して、レイヤーの透明度を60%に落としました。
水泡の中の濃い色をキャラクターからスポイトした色に変更します。
ここでは髪の毛からスポイトした紺色にしました。
先程変更した濃い色のレイヤーを乗算に変更します。すると少し背景が透けて透明感が出てきます。
水泡のハイライトを、近くにある色に変更します。
今回は傘の赤をスポイトしてハイライトに使用しました。
さらにレイヤーモードを発光に変更します。すると、傘の強い赤色が反射しているように見えて、キャラクターと泡に統一感が出ます。
ここまでに調整した泡をコピー&ペーストで増やして好きな大きさ、場所に配置します。
カメラに近い泡はレイヤーを統合してガウスぼかしをかけると、ピントが合っていないように見えて絵に遠近感が出せます。
さらに、新規レイヤーを作成し、まずは発光モードに。そのレイヤーを使い、水泡の近くの色をスポイトして水泡を上から塗ります。すると周囲の色が写り込み反射している表現ができます。
最後に、大きな水泡しか浮いていないのが不自然と思い、小さな円を描き足しました。
今回はフリーハンドで描きましたが、一気に円が描けるブラシを使うと早いです。更に絵に奥行きが出たと思います。
以上で完成です。
水泡などの素材は周囲の色や光の影響をよく受けるので、しっかりと調整して画面全体の統一感が出るように取り組んでみましょう。それだけでイラストのクオリティをグンッと高められます。
イラストレーター。ソーシャルゲームのカードイラストを中心に、3DS用ゲームの背景や食玩のオマケイラストなどジャンルを問わず活躍。Webのイラスト講座なども多数手掛ける。
ホビージャパンより著書「CLIP STUDIO PAINT キラキラの描き方 宝石・鉱物・金属などを輝かせる塗り絵テクニック」好評発売中。
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