メカイラストが映える構図・プロデュースとアプローチの方法

メカイラストが映える構図・プロデュースとアプローチの方法

koutetu yarouです。今回のテーマは「メカが映える構図・プロデュース・アプローチの方法」です。題材としては、「メカが映える構図」と在りますが、考え方を変えればあらゆる点で応用が利きます。

 

すこし視点と考え方を変えるだけで、絵を見てくれる「受け取り手」に対して大きなアプローチができる点も紹介します。

 

▽目次

ラフにおける構図の決め方

「ここを見ておくれよ!」ポイントをつくろう!

 「ここを見ておくれよ!」ポイント1:髪の毛をケーブルに置き換えた部分

 「ここを見ておくれよ!」ポイント2:女性的なポージング

 「ここを見ておくれよ!」ポイント3:全体を見たときのキャラクターの流れ

 番外編・前述のポイントを意識してライティング・シェーディング

カラーリングによる視線誘導

投稿する際の構図の決め方

 

 

 

ラフにおける構図の決め方

まずは構図の考え方や決め方について、ラフの段階から考えている点について紹介します。

ラフにおける構図の決め方

今回のラフはこちらです。

キャラクターデザインについてはこちらにて解説を行っていますのでご覧ください。

ラフ段階で「この絵のココを見てほしい!」という点をいくつか決めておくと完成へのビジョンが明確になると考えています。

 

では、この絵の「ここを見ておくれよ!」ポイントを見ていきましょう。

「ここを見ておくれよ!」ポイントをつくろう!

前項で説明した「ここを見ておくれよ!」ポイントを踏まえつつ、ブラッシュアップしたラフがこちらです。

ではどこを「見てほしい」のか解説をしてきましょう。

「ここを見ておくれよ!」ポイント1:髪の毛をケーブルに置き換えた部分

サイボーグ・サイバーパンクとケーブルは切っても切れない関係です。

 

今回は髪の毛をケーブルに置き換えた部分が、デザインとして私が最も「推したい」ポイントです。そこを第一に見せたいと、この時点から考えています。

「ここを見ておくれよ!」ポイント2:女性的なポージング

ここは厳密に言うとメカだけというわけではありませんが、サイバーパンクとセクシーさは親和性がとても高いです。

 

その部分も捨てがたい要素です。その為、女性的なポージング、特に腰回りにこだわりを込めています。

「ここを見ておくれよ!」ポイント3:全体を見たときのキャラクターの流れ

上記二つは、ポイント毎の局所的な部分ですが、一歩引いて全体を見たときの「キャラクターの流れ」の部分も意識しています。

 

赤い2本のラインで表現した、ケーブルの流れ、視線を流すためのロッドなどがそれにあたります。

番外編・前述のポイントを意識してライティング・シェーディング

構図以外の点でも、意識して視線を集めるように演出していきます。

 

詳しい部分は全開講座「メカの塗り方講座」にて解説していますのでご覧下さい。

今回は右上、「キャラクターの見つめている場所」が最も強いライトと想定しています。そうすることで、最も光の当たる「顔 → 胸 → 足元」へと視線を誘導する流れを自然に作り出します。

カラーリングによる視線誘導

カラーリングも視線誘導を行うことをメインにデザインしています。

 

■重要なポイント

  • まず頭部にフォーカスしてもらいたいので、アクセントカラーのオレンジをヘッドカバーに入れています。
  • 全体的にゴチャつかないように、テーマカラーを3色(オレンジ・白・赤茶色)にまとめています。
  • 魅力的なシルエットにするため、ケーブルなどはハデにせず、暗めに仕上げます。

完成

カラーリングした画像に仕上げの工程を経て、最終的な形は上図になります。

 

絵としてはここで完成です。

投稿する際の構図の決め方

最後に日頃から意識ししている作品発表方法を紹介します。

 

絵は発表してこその、絵です。ここからは番外編として、発表するにあたっての効果的な構図構想についてお話します。

 

この絵はTwitterにてメインに発表するつもりで描いた絵ですので、今回は、Twitter上で最も見栄えが良くなるようにトリミングしていきます。

 

公開するメディア毎に最も「見栄えが良くなる」(端的に言えば「映える」)方法を考えるのが最も大事だと思っています。

 

こちらが私が実際にTwitter上に投稿した際の画像とリンクです。

 

■ 重要なポイント

  • Twitter上で掲載される場合は、自動的にトリミングが行われますので、それを踏まえた上で画像を編集・配置します。
  • 分割された画像二つを「一つの画像」として意識します。そのうえでフォーカスポイントを一枚目の目の部分に定めていきます。
  • 余計な情報を極力省き、見てくれた人に対して自然と「視線を誘導している部分以外に視点がいかないよう」注意します。
  • サムネイル上では、最低限の情報しかありません。そのため、一目でフォーカスポイントと全体像を把握できるため、目を留めてもらいやすくなります。

まとめ

単純に構図と言っても、公開場所や見てくれる人達がどういったものを求めているのかを考えることが絵そのものの腕前やデザインだけでなく、プロデュース的な部分でも勝負をかけることができます。

 

今回は「顔を第一に見てもらいたい」という目的を達成するために

  • キャラクターの立ちポーズそのものを頭部から足元へ流れるようにデザインする。
  • ライティングを最も見てもらいたい部分が映えるように配置する。
  • 目を惹いてほしい部分へフォーカスが行くように、配色を意識する。
  • 上記を行った上で、公開するメディア用に画像を適したかたちで編集する。

という目標を定めて作品を作成しています。

 

昨今のクリエイター達は、様々な手法をもってして自らをプロデュースしています。

 

視点を変えて、自らをみてくれた人に対してどのようなアプローチを行えば効果的か、と考えることが非常に効果的、かつ差をつける部分であるとも私は考えています。

 

是非とも活用して頂ければ幸いです。

著・画 koutetu yarou

フリーランスコンセプトアーティスト・イラストレーターとして活動中。