サークルドローイング【中級編】~体のアタリをカッコよく描く方法~

サークルドローイング【中級編】~体のアタリをカッコよく描く方法~

サークルドローイング初級編に引き続き、サークルドローイング中級編では体のアタリをもっとカッコよく描く方法についてお話します。

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上図の初級編の描き方で描いた体のアタリと比べてみると体全体のシルエットがカッコよくなっていることが解ります。
 

▽目次
体のシルエットをよりカッコよく描く考え方
【1】頭と首周りを進化させよう 
【2】ボディを進化させる
【3】腕と手先を進化させる
          ピーク線とは?
          ピーク線と腕の丸の描き方
【4】脚と足先を進化させる
          脚の丸とピーク線の描き方
【5】進化パーツを全て合体させ、全体シルエットがカッコよく描ける
応用テクニック:色々な体を描き分けるコツ
          大人と子供の描き分けるコツ
          女性と男性の描き分けるコツ
まとめ

 

 

 

体のシルエットをよりカッコよく描く考え方

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体のシルエットをよりカッコよく描く考え方は以下の2つのステップを踏むことです。

  1. 体全体のシルエットは頭や胸といった体のパーツが集まってできている。
  2. 個々のパーツのシルエットがカッコよくなれば全体のシルエットがカッコよくなる。

サークルドローイング中級編ではパーツをカッコよくすることを「進化」と呼び、体を4つのパーツ群に分けて進化させる考え方を紹介します。

【1】頭と首周りを進化させよう

まずは頭と首周りを考えていきます。ポイントは2つです。

  • 頭はアゴの意識が加わることで進化します。
  • 首周りは首とデコルテに分けて考えると進化します。


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描き順はこちらです。

①閉じた丸を描きます。

②アゴの丸を重ねて描きます。

③陰線消去。

④塗ってシルエットの形を確かめます。

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ポイントは《塗って形の確認と修正》することです。グレー色で線の中を塗ってあげるとシルエットの形がよく解ります。形に歪みを発見したときは、形を盛るか削るかして修正を行います。

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▼頭部と首周りの進化の続き

⑤首とデコルテの丸を重ねて描きます。

⑥陰線消去。

⑦塗って形を確かめます。

【2】ボディを進化させる

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続いて、ボディは胸と腰に窪みを描き、腹を2段重ねの丸で描くことで進化させます。

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ポイントは《胸と腰に窪みを描く》ことです。まず丸い粘土を想像します。窪みとなる部分の粘土を掘り出して窪みを作るイメージで描きます。イメージが大切です。

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さらに、《腹の丸は2段重ねで描く》ことで、腹の丸は上下2段重ねで描くと腰のクビレを表現できます。陰線消去のとき線の入り込みを意識するとよりカッコよく描けます。

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そして、《胸腰腹の丸を重ねて描く》ことで、進化させた胸と腰そして腹の丸を重ねて描き、陰線消去を行えば進化したボディとなります。塗って形を確認しましょう。

【3】腕と手先を進化させる

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次に腕と手先です。腕は太くしたいところにピーク線を描いて進化。手先は丸を細かく分割して進化させます。

ピーク線とは?

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ここでいう「ピーク線」とは、腕を太く膨らませたい位置に描く目安の線を指します。2つの関節球とピーク線を囲む様に描く丸は形がカッコよくなります。

ピーク線と腕の丸の描き方

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描き順はこちらです。

  1. 2つの関節球を描きます。
  2. ピーク線を腕を太くしたい所に描きます。
  3. 2つの関節球とピーク線を囲む丸を描きます。
  4. 陰線消去。
  5. 塗って形を確認します。

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ポイントは《手先を進化させる複数の丸》です。手先を複数の丸に分割して重ねて描くと形がカッコよく進化します。

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そして、腕と手先の全体を描きます。ピークの線と腕の丸の描き方の①〜⑤で腕を2個描き、手先を加えると上腕+前腕+手先が揃った腕となります。

【4】脚と足先を進化させる

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脚もピーク線を描くことで進化します。足先も手先と同様に複数の丸を重ねて描くことで進化します。

脚の丸とピーク線の描き方

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脚も腕と同様にピークの線を描くことで形が進化します。腕よりもピーク線を少し大きく描いてあげましょう。

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ポイントは《足先を進化させる複数の丸》です。足先を複数の丸に分割して重ねて描く様にすると形がよりカッコよく進化します。

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そして、脚と足先の全体を描きます。脚は腕と同じ描き方で描けるため、ピークの線と腕の丸の描き方の①〜⑤を参考にします。

 

ピーク線のみ少し大きくして脚を2回繰り返して描き、足先を加えると大腿+下脚+足先が揃った脚となります。

【5】進化パーツを全て合体させ、全体シルエットがカッコよく描ける

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進化させた体のパーツを全て重ねて描くと上図のように全身を描くことができます。丸を描くだけでは物足りない方は髪の毛や顔を描いてあげましょう!

応用テクニック:色々な体を描き分けるコツ

ボディの胸腹腰の3つの丸の大きさを工夫すれば次の様な人の体の描き分けを行うことができます。

大人と子供の描き分けるコツ

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ノーマル体型のボディの胸腹腰の3つの丸を基準と考え、

  • ノーマルよりも小さい丸を描けば子供
  • ノーマルよりも大きい丸を描けば大人

の体を描けます。

女性と男性の描き分けるコツ

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ボディの胸腹腰3つの丸の大きさを、

  • 上から順に大→小→中と描くと男性
  • 上から順に中→小→大と描くと女性

の体を描くことができます。

まとめ

体全体のシルエットはパーツ単位の進化を考えてあげるとカッコよくなります。

 

また、線の中を塗ってあげると形がよく見える様になり、盛ったり削ったりすることで、よりカッコいい形へと進化さられます。

 

パーツの丸が少し進化する事で全体がカッコいい形になる。このことを理解して、サークルドローイングで人のアタリを描く練習を続けてみましょう。

 

ここまでで大分体が描けるようになって来たと思いますが、まだポーズとアングルについてお話をしていません。ですので、次回は『サークルドローイング上級編、立体的にポーズとアングルを描く方法』についてお話ししてみたいと思います。

著・画 浅利治武 

お絵描き私塾のイラスト講師・お絵描きYouTuberです。 

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