西沢5㍉先生が教える!Twitter投稿のコツとは? 総合学園ヒューマンアカデミークリエイターセミナーレポート
2020.12.22
現役プロクリエイターの方々をお招きし、そのワザをご披露いただいている総合学園ヒューマンアカデミーのクリエイターセミナー。これまでWEBオープンキャンパスにて数多くの方々が実演と指導の模様を公開してくださいました。
※2020年度からはオンラインにて開催しています。
今回ご登壇いただくのはイラストレーターの灸場メロさんです。重厚な色遣いと機密に描き込まれたディティールでキャラクターの魅力を引き立たせる人気イラストレーターの灸場メロさんに、プロになるまでのステップや具体的なペインティングテクニックについて教えていただき、さらにイラストペインティングの実演までしていただきました!
この記事ではそのセミナーの模様を一部抜粋してお届けします。本記事最後に講義全体の動画もあるので、クリエイターを目指すみなさんはぜひチェックしてください。
■灸場メロ:プロフィール
イラストレーター。1996年生まれ。
ゲーム会社勤務を経てフリーランスとして活躍中。繊細な表情、抒情的な色使い、物語性を感じさせる構図など、独特のタッチで人気を集める新鋭クリエイター。 『荒野行動×ワンパンマン』や『呪術廻戦』などの応援イラストを中心に手掛けている。
代表作:
にじさんじボイスドラマCD『黒鉄のフォークロア』メインビジュアル
『蔵人美男児』キャラクターデザイン
『幕末志士イケメンプロジェクト』一部キャラクターデザイン
『VALIANT TACTICS』一部キャラクターイラスト
『荒野行動×ワンパンマン』コラボイラスト
『呪術廻戦』応援イラスト 他
▼目次
厚塗りテクニックの数々! 下絵から完成まで。ライブペインティングコーナー
灸場メロさんが2021年度の総合学園ヒューマンアカデミーで非常勤講師として登壇決定!
※本記事は総合学園ヒューマンアカデミーの提供にてお送りいたします。
最初の質疑応答コーナーでは灸場メロさんに様々な質問をさせていただきました。プロイラストレーターとして独立されるまでの経緯やイラストレーションの仕事に関する具体的な質問など、以下抜粋してお届けします。
Q1.進路についてお伺いします。いつ頃からイラストレーターを目指そうと考えていらしたんですか? また、目指そうと思ったきっかけは?
灸場メロ:
中学生時代に『バクマン。』という漫画に影響を受けて漫画を描くようになりました。
高校卒業後、漫画家になることを目指して専門学校に進学したのですが、入学後半年ほど経った頃に漫画は必要となる物量が非常に多いということに気付き、1枚で作品を完成させられるイラストレーターという職業を目指すことにしました。
Q2.専門学校で絵の勉強をされていたということですが、在学中に意識をして取り組んでいたことはありますか?
灸場メロ:
私は2年制のコースに入学したのですが、1年目は怠惰に過ごしてしまってあっという間に終わってしましました(笑)。それをとても後悔したので、2年目は意識を変えて勉強や創作に取り組むようになりました。
「灸場」というペンネームを使いSNS上でイラストを公開するようになったのもその時からで、意識の変化の現れです。
Q3.ご卒業後、業界デビューするにあたってどんな準備をされていましたか?
灸場メロ:
卒業後新卒で入社したゲーム会社などいくつかの企業で働き、社会人としての経験を積ませていただきました。
それと並行して絵のスキルアップも続けていく中で個人の仕事もいただけるようになっていったので、社会人経験そのものがプロイラストレーターとしての準備になっていたと考えています。
Q4.プロデビューされてから心がけていることはありますか?
灸場メロ:
プロになると、お仕事の中で自分の好きなアーティストの方や作品に関われることもあります。そういう時は本当に嬉しいですね。この気持ちは仕事を続けたりいい作品を作ったりするための原動力になりますので、嬉しいという気持ちを忘れず大事にすることはいつも心がけています。
Q5.厚塗りを得意とされている灸場メロさんですが、厚塗りをする上で気にかけていることは何ですか?
灸場メロ:
あまり自覚せず描いているのですが、低い彩度と高い彩度の色を使い分けることはそのうちの一つだと思います。たとえば、低い彩度の中に高い彩度の色を置くことで、見てもらいたいポイントに自然に目が行くような絵にできます。
全体的に低めの彩度の絵を描いている場合に、顏周りに高い彩度の色を置くことでキャラクターの顔を見てもらいやすくする、といったことはよく使う手法です。
こういったテクニックは中国系のイラストレーターさんが使用していることが多いので、海外の方の作品も日々参考にして取り入れています。
Q6.女の子と男の子を描き分ける際に気を付けていることはありますか?
灸場メロ:
これは実際にクライアントさんにフィードバックを受けて気付いたことなのですが、男性は頬骨の輪郭が比較的カクカクッとしているので、女性キャラクターを描く場合は輪郭を丸く描いた方がよりそれらしくなります。また、肩幅を狭めたり目鼻の位置を少し下げることでも、女性キャラクターらしい描き分けをすることができます。
Q7.仕事を請けた際にどんなことに気を付けていますか?
灸場メロ:
すぐに描き出さないことです。クライアントさんがどんなイメージをして依頼してくださったのかを依頼文書から読み取り、いただいた資料以外にも依頼された作品に関する画像など参考になるものを広く集め、自分の中でイメージを固めてからキャンバスを開くようにしています。
ここからは灸場メロさんによるライブペインティングのコーナーです。セミナー開催日だったバレンタインデーにちなんだ下絵に、約1時間で着彩していただきました。その過程をご覧ください。上が下絵(本着彩前)、下が完成したイラストです。
線画の上から厚塗りをしていくのが灸場メロさんのスタイル。まずは顏や髪、服の各パートなどに大まかに色を置いていきますが、この時点で濃淡も表現されています。
続いて髪の毛のハイライトや影、服や飛び散ったチョコレートの色など入れていきます。
質疑応答で説明されていたとおり、全体的に彩度が低い中、髪や首筋に高い彩度の色をハイライトとして置いています。そのため自然とキャラクターの顏や表情に視線が誘導される絵になっています。
なお、作業中は描きやすいように臨機応変に左右反転・回転しています。
服に陰影を入れていきます。厚塗りは単に色を重ねていくだけだと全体的にボヤけてしまうので、くっきりした色遣いを心がけることが第一歩とのこと。またブラシはテクスチャブラシを使って灸場メロさんお気に入りのザラザラした質感を出しています。
光源(このイラストの場合左上の白丸の部分)に従って全体の明るさを整え、背景に着彩していきます。「光によってキャラクターの立体感などが強調されるので、光源の位置を最初に設定しておくことは重要です」とのこと。
本着彩に入り、ハイライトや細かな線の強弱などをつけつつ、唇や眉毛の線を調整し表情を微修正しています。彩度の高いオレンジ色の光が首元や髪の毛に入ることでより表情に目が行くようになりました。
灸場メロさんは「線画を塗りつぶして絵を整えていく本着彩が一番楽しい」そうです。
ちなみに逆に一番苦手なのは線画だそうで「線画ができなくて漫画家は諦めました。線画が得意な方が羨ましいです……今回のイラストも線画はこの程度のラフなもので、あとは色を乗せて整えています」とのこと。
灸場メロさんはこの段階では線をきちんと閉じることなどは意識せず、その分着彩で上手く色を置くようにしているのだそうです。
ここで一度イラストを白黒にして絵全体のコントラストの強弱の確認をします。今回のイラストの場合、顏(赤丸部分)が目立つように構成しているので、ここがより際立つようにコントラスト差を付けたりレベル補正するなどして調整をします。
この作業によって全体の色味に強弱が付き、より締まって見えるようになります。
Photoshopの機能を使ってイラスト全体に加工を施します。灸場メロさん曰く「これができることがPhotoshopの強みかもしれません」とのこと。今回は背景にぼかしレイヤーを重ねることでよりキャラクターが浮き出て見えるように強調され、全体の雰囲気が整えられています(背景の絵そのものには手を加えていません)。
全体に微修正を加え、最後にメッセージを入れて、完成です!
以上が灸場メロさんのクリエイターセミナーでした。今回のWEBオープンキャンパスとライブペインティングの動画がYouTubeにて公開中なので是非ご覧ください。
なんと、本イベントに登壇いただいた灸場メロさんが総合学園ヒューマンアカデミーにて非常勤講師として登壇決定!
総合学園ヒューマンアカデミーのマンガ・イラストカレッジは全国の主要都市を中心に16校舎を展開しており、講義はオンラインにて実施予定。どの地域にお住まいでも受講しやすいです。受講できる方は在学生のみですので、イラストレーターや漫画家を目指す方は2021年度の入学を要チェックです。
講義では灸場メロさんのイラストテクニックを伝授!”絵が上手く見せる力“を身につけます。
バレンタインチョコ作るくんメイキングです。
— 灸場メロ (@9baMelo) February 14, 2021
YouTube Live見に来てくださった方々、ありがとうございました! pic.twitter.com/N8Al63nuCK
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(文:いしじまえいわ)