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同人誌でも使える! 印刷物の作り方 基礎編

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同人誌でも使える! 印刷物の作り方 基礎編

 拡大する同人市場

「コミックマーケット(コミケ)」をはじめ、「COMITIA」、「COMIC1」、「コミックシティ」など日本各地で開催されている同人誌即売会。特に年に2回開催される「コミックマーケット」は世界最大規模のオタクイベントで、2014年に開催されたコミックマーケットC87では来場者が3日間合計で56万人を記録しました。大手キー局での特集を初め、国内外で認知が進みつつあります。

魅力的な同人誌

企業のオフィシャルの商品と共に注目されるのが、一般者が作る同人誌です。様々なジャンルで趣向に富んだ作品を作るべく、今まさに原稿を描いているという方も多いのではないでしょうか。今回は初めての方にも安心な「印刷物の作り方 基礎編」をお届けします。著作権など注意するべき点は多数ありますが、イラストや漫画をたくさんの人に見てもらえるチャンスになるかもしれません。

 

 

 同人誌制作の流れ

同人誌制作の一般的な流れをご紹介します。

1 同人誌の内容を決める

まず、企画や内容を決めます。ここは想像を膨らます段階なので一番楽しい工程です。企画にあわせてサークルイベントへの出品申し込みの時期は必ず確認しましょう。

同人誌の内容は二次創作やアダルト向けの本が多いのでは?という印象を持たれがちですが、オリジナル作品(一次創作)で一般向けの本も数多くあります。二次創作やアダルト向けに抵抗がある方もお気軽に参加できますよ。

2 印刷会社を決める

同人誌を印刷するため、この段階で印刷会社を決めましょう。多くの印刷会社があるので迷うと思いますが各会社の特徴や評判をしっかり調べて決めることをオススメします。また、あなたのお気に入りサークルが利用している印刷会社を使うのもひとつの判断方法です。

3 表紙や原稿の作成

印刷会社が決まったら表紙や原稿を制作します。予めに入稿の〆切もチェックしてから作業を行い、常にスケジュールを意識しながら制作しましょう。この工程は〆切に追われることもあり、一番苦しい工程です。また、印刷会社は原稿のテンプレートやレギュレーションを用意していることがあるので、それらに従って作成します。

4 印刷会社に表紙や原稿データを入稿

表紙や原稿が完成したらデータに不備がないか必ずチェックします。よく起こりがちなのはページの入れ違いや、仕上がり線をはみ出して画面が切れてしまうというトラブルです。納品が遅れたり、想定していた仕上がりと異なった印刷になってしまったりするケースもあるので繰り返しチェックしましょう。

5 イベントに参加する

あとはイベントに参加して渾身の同人誌を頒布しましょう。頒布スペースのレイアウトを作ったり、同じジャンルの他サークルや買っていただいた方と交流できたりする事も面白みのひとつです。イベント参加できなくても同人誌を委託販売する会社もあるため、当日に買えなかった方向けにオンラインストアで販売することも出来ます。

同人誌制作に必要なアイテム

同人誌の作り方はアナログとデジタルの2通りあります。

アナログ

アナログ制作の場合は

  • 同人誌用原稿用紙
  • 鉛筆
  • 消しゴム
  • インク
  • ホワイト
  • スクリーントーン
  • カッター
  • 定規

など用意するものがデジタルと比べ多くなります。
消耗品なので随時補充する必要もありますが、ツールを揃えるコストはデジタルより低いというメリットがあります。

デジタル

デジタル制作の場合

  • パソコン
  • ペンタブレット
  • ペイントソフト

などのツールが必要です。入稿前のデータのチェックする為のプリンタや、アナログで描いた下描きを読みこむスキャナなどがあると便利です。どのアイテムも高額なので一式揃えるコストが高いですが、一度揃えるとアナログと比べ消耗しにくく入稿などが便利になるため、現在の同人誌制作の主流となっています。

制作時の注意事項

成人向けの表現

成人向けの表現する際には、「性器を露出する表現」や「結合部分の描写」は黒ベタなどで隠しましょう。これは刑法175条「わいせつ図画」に該当する可能性があるからです。
多くの印刷会社でも成人向けの表現に対する言及があるので原稿作成前に一読しておきましょう。

解像度

デジタル原稿を作成する際には解像度を必ずチェックしましょう。
解像度とは画像の密度を表すものです。解像度が高い(密度が高い)ほど綺麗に表示されます。WEB向けに作成する場合は解像度に気を配ることはあまりありませんが、印刷向けに作成する場合は解像度をWEB用よりも高く設定する必要があります。

 
印刷物の作成の際、解像度のレギュレーションは印刷会社によって異なる場合もありますが

  • カラー原稿:350dpi
  • グレースケール原稿:350~600dpi
  • モノクロ2値:600~1,200dpi

などが良いでしょう。

カラーモード

データ入稿前にカラーモードをチェックします。
カラーモードとは色の情報管理方法です。

  • カラー印刷:CMYKモード
  • WEB:RGBモード
  • 白黒印刷:グレースケールモード

で設定することを覚えておきましょう。

CMYは「シアン(C)」「マゼンタ(M)」「イエロー(Y)」の『色の3原色』で、RGBは「レッド(R)」「グリーン(G)」「ブルー(B)」の『光の3原色』で構成されています。

 (画像:LIGより引用(http://liginc.co.jp/web/useful/19765))


RGBモードで作成したデータでフルカラーの同人誌を製本すると想定した場合、印刷するとディスプレイで見ていた色味と若干異なります。これはCMYKとRGBの色域が異なるためです。印刷物は、原則CMYKモードと覚えておくと良いでしょう。

トンボと仕上がり線

トンボや仕上がり線は印刷物に必要な、枠線や目印を指します。印刷物は一般的に、大きめの用紙に印刷した後に仕上がりサイズに断裁して製本する為、この2つの目印が必要です。

 
原稿作成時には、下記の3つのスペースを意識して制作します。

  • 塗り足し範囲(青)

ベタやトーンなどはここまで描く必要があります。

  • 仕上がり線(赤)

製本された大きさを表す線です。この線で裁断されます。

  • 内枠(黄)

断ち切りしないコマやセリフなどを収める基準となる線です。

 
特に仕上がり線は重要で、画面切れなどを防ぎます。
下記の図は仕上がり線にセリフがかかっているNG例になります。印刷するとセリフの一部が切れて読めなくなります。

 

オフセット印刷とオンデマンド印刷

印刷は大きく分けてオフセット印刷とオンデマンド印刷の2種類に分類されます。

オフセット印刷

版を使って印刷しているため製本の仕上がりが良いです。少部数で発注すると1冊辺りの単価が高くなるので、大部数を印刷する際にオフセット印刷を選びます。

オンデマンド印刷

オフセット印刷と比べ製本の仕上がり品質が低いですが、近年では印刷技術が向上し品質が良くなってきました。低コストで印刷できるため100冊未満など少部数を印刷するケースに使われることが多いです。

初めて制作する場合はどれだけ売れるかが想定しにくいためpixivやTwitterなどで多くのフォロワーがいない限り少部数の印刷に留めておくと在庫を抱えるリスクが低くなります。その為、最初はオンデマンド印刷からスタートすることをオススメします。

同人誌の仕上がり方

一般的には、同人誌は主に並製本(ソフトカバー)で製本されることが多いです。製本時に覚えておきたいのが綴じ方と綴じ方向です。

綴じ方

印刷物はそれぞれ

  • 中綴じ

ページ数が少なめの本向き

  • 無線綴じ

ページ数が多い本向き
という2種類があります。
 



 

綴じ方向

セリフが縦書き、横書きによって綴じ方向が変わるので注意しましょう。
同人誌で漫画を描く際には、縦読みであることが多いため、右綴じになります。

  • 縦書き→右綴じ

  • 横書き→左綴じ

 

表現のゴールのひとつとして

自分の作った作品を誰かの手に撮って貰える、という喜びは代えがたいかもしれません。この記事を機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 


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