スジだけ描いても細マッチョにはならない!? 上半身の筋肉の描き方講座

スジだけ描いても細マッチョにはならない!? 上半身の筋肉の描き方講座

男性キャラで頻出

男性キャラや動物などを描く際に重要な筋肉。筋肉質な体を描くのが苦手! という方は多いはず。

 

今回はイラストレーターの幸坊さんが解説する「上半身の筋肉の描き方講座」をご紹介。

 

記事では以下の8パートに分けて、しっかりと筋肉の描き方をご紹介します。

■基礎編:筋肉の構造や位置

1.筋肉の名称と説明

2.筋肉を分かりやすく魅せるコツ

3.細マッチョを描くコツ

■実践編:各筋肉の描き方

4.筋肉の描き方~正面~

5.筋肉の描き方~腕~

6.筋肉の描き方~背中~

7.筋肉に陰影を描くコツ

8.腕を上げた場合の筋肉の描き方

 

筋肉の位置や、動作に合わせて動くパーツもご紹介しているのでより自然なポージングにも応用頂けます。記事の最後には、Palmieさん提供の幸坊さんによる解説動画も掲載しているのでぜひチェックしてみてくださいね。

 

 

1.筋肉の名称と説明

まず、筋肉の各部名称は以下の通りです。
筋肉
 

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

耳の後ろから鎖骨につながる筋肉です。
胸鎖乳突筋

 僧帽筋(そうぼうきん)

肩から背中の中心にかけて発達している筋肉です。発達するほど首周りが太くなります。
僧帽筋

三角筋(さんかくきん)

発達するほど、がっしりとした大きく丸い肩になります。
三角筋
 

大胸筋(だいきょうきん)

発達するほど筋肉が盛り上がり、体に厚みが増します。
大胸筋
 

広背筋(こうはいきん)

背中の中心から腰までを占める筋肉です。発達すると正面からでも見えます。
広背筋
 

上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)

「力こぶ」と呼ばれている筋肉です。腕を曲げると収縮して盛り上がります。
上腕二頭筋
 

上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)

「二の腕」と呼ばれている筋肉です。
上腕三頭筋

 前鋸筋(ぜんきょきん)

広背筋とつながっており、腕を上げた時に見えやすい筋肉です。「ボクサー筋」とも呼ばれます。
前鋸筋
 

腹斜筋(ふくしゃきん)

お腹の横側にある筋肉です。引き締まったくびれを魅せるポイントになります。

※記事内では主に外腹斜筋をことを指します。
腹斜筋
 

腹直筋(ふくちょくきん)

「腹筋」と呼ばれている筋肉です。
腹直筋
 

大殿筋(だいでんきん)

お尻の筋肉です。
大殿筋
 

2.筋肉を分かりやすく魅せるコツ

筋肉を分かりやすく魅せるコツは、筋肉が発達しているところにボリュームをつけて、シルエットでメリハリを効かせることです。
筋肉を分かりやすき魅せるコツ
 
素体に筋肉のスジを描きこむだけでは、筋肉質な体型にはなりません。素体に筋肉を肉付けするイメージで、シルエットを変化させましょう。

3.細マッチョを描くコツ

人気の細マッチョ体系を表現するには、逆三角形のシルエットが重要です。

  • 肩はなで肩気味でがっちりと
  • 腕はがっしりと太く
  • ウエストは細く
  • 腰はやや太く
  • 太股の付け根やお尻周りに筋肉をつける

という5つのポイントを押さえて制作します。
逆三角形のシルエット
 

4.筋肉の描き方~正面~

胸鎖乳突筋 

首筋の胸鎖乳突筋を描くと、たくましさやセクシーさを表現することができます。耳の後ろから鎖骨の中央部分にかけて描きましょう。
胸鎖乳突筋
 

肩峰(けんぽう)

肩峰は鎖骨が肩甲骨とつながる為に曲がってできた凸部分です。忘れずに描くと立体感が増します。
肩峰
 

大胸筋と三角筋

大胸筋は筋肉質な身体のアピールポイントとしてよく使われます。大胸筋は顔の面積と同じくらいの大きさで描きます。
大胸筋と顔の比率
 
形は四角ではなく逆五角形にするとバランスが良くなります。
大胸筋の形
 
大胸筋の端は三角筋の下に入り込むように描きます。


胸の厚みを表現するには

  • 大胸筋と三角筋の境のくぼみを描く
  • 胸の中心部分にも少し隙間を作る

という方法で立体感を強調すると良いでしょう。
大胸筋のポイント

腹直筋

腹筋を四角に割って描くとリアリティに欠けるので避けましょう。
腹筋のポイント
 
一番上の腹筋は大胸筋の下から逆ハの字を意識して描きます。上から二番目以降の腹筋は別々になっていることがわかるように腹筋を配置し、六角形のブロックを意識して描くと自然な仕上がりになります。
腹筋はブロック
 

前鋸筋

前鋸筋は広背筋の境から盛り上がるように描き、腹斜筋と交差するように配置します。腹斜筋は腹直筋の端につなげます。
腹斜筋と広背筋と腹直筋のつながり
 

5.筋肉の描き方~腕~

力こぶは上の上腕二頭筋、下の上腕三頭筋で出来ています。上腕と下腕の筋肉は互い違いに並んでいるため、上腕二頭筋→下腕→上腕三頭筋の順番で描くと良いでしょう。
腕の描き方
  

筋肉がつかない部分

下腕の肘から手首に繋がる骨(尺骨・しゃくこつ)には筋肉がつきませんので、この部分を境目に下腕の筋肉を分けます。
尺骨

6.筋肉の描き方~背中~

背中の筋肉は

  • 僧帽筋
  • 三角筋
  • 広背筋

の3つを描き込むことで表現できます。
背中の描き方
 
注意しておきたいのが、広背筋の描き方です。広背筋は腰の真ん中のみではなく、体側を通って体の前まで繋がっていて回りこんでいることを覚えておきましょう。
広背筋のポイント

7.筋肉に陰影を描くコツ

陰影をつけるポイントは筋肉の膨らみや厚みを意識することです。

 

以下のを意識して陰影をつけると立体感が表現しやすくなります。

  • 大胸筋の下部
  • 腹直筋のサイドと中心部分
  • 上腕二頭筋や上腕三頭筋、三角筋などの筋肉の境

筋肉の陰影

8.腕を上げた場合の筋肉の描き方

腕を上げる動作を描くためには、一緒に動く骨や筋肉の構造を理解する必要があります。

腕と一緒に鎖骨も上がる

腕と一緒に鎖骨も上がる
 

引っ張られて大胸筋の下部の厚みが薄くなる

引っ張られて大胸筋の下部の厚みが薄くなる
 

大胸筋と三角筋をつなげるように描く

大胸筋と三角筋をつなげるように描く

各筋肉の位置関係は下の図を参考にしてください。脇の下は複数の筋肉が密集しているので、各部位の位置を覚えておきましょう。
筋肉の位置
 

動画ではラフから描き上げるコツもご紹介

いかかでしょうか。動画ではラフから描き起こすとき知っておきたいコツなども解説しているので、理解を深めるために是非、チェックしてみましょう。

■上半身の筋肉の描き方講座 by 幸坊

 

【クリエイター紹介】

幸坊

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