【君にシンクロ】ハッカドール1号イラスト特集
2015.05.22
DeNAが運営するスマートフォン向けニュースアプリ『ハッカドール』は、可愛い3人のキャラクターがサブカルチャーに特化したニュースをお知らせしてくれる人気アプリです。
『MUGENUP STATION』で『ハッカドール』メインナビゲーター:ハッカドール1号の1枚絵を制作するコンペを実施しました。 応募数266点のうち、見事5作品が採用となりました!今回はDeNAの『ハッカドール』の担当者:岩朝氏がどんな観点から採用作品を選んだかを解説します。
受賞作品に共通している特徴や、商業イラストで重視されるポイントを一緒にチェックしましょう。
DeNA『ハッカドール』流 版権イラストに“イノチ”を吹き込む6つの方法の記事でもご紹介した通り、ハッカドールで最も大事にしているのは キャラクター性です。
技巧的に上手くても、キャラクター性が損なわれていたりすると、版権物の描き下ろしイラストとしては高い評価は難しくなります。最優秀作品は魅せ所を意識したポーズや構図など、かわいい&元気というハッカドール1号のキャラクター性がわかりやすく伝わるようによく考えられていると思います。
優秀作品はキャラクター性の表現が若干弱くても、 イラスト単体としての引きが強い作品も含めて選びました。
ご褒美イラストとして使用されるエンドカードにとって「おおっ」と思わず目を引く魅力があるのはとても重要なポイントです。優秀作品は、イラストレーターの皆さんの得意技や好きなモチーフをうまくハッカドールと合わせた感じがします。このようなイラストは 自然と作家性も出るため、商業イラストのお仕事に繋がりやすくなります。
細かいところですが、 設定資料が守られているかを必ずチェックして仕上げましょう。
手袋の色は白だっけ?黒だっけ?ドレスのボタンの真ん中は透けだっけ?胸のブローチってどれぐらい大きいっけ……などなど、描いていくうちに独自解釈をしてしまってオリジナルのデザインから変わってしまう事があります。残念ながら 既存作品のキャラクター設定を曲げるのは絶対NGなのが版権物イラストの鉄則です。
ハッカドールにように TVアニメ化する作品など、あらかじめ設定がしっかりと決まっている場合は特に注意してください。今回も「すごくいいイラストなのに小物を間違っているので……」という勿体ない作品が多くありました。仕事ではリテイク、コンペでは選考外となってしまいます。
たくさんのイラストを見ていると「背景が寂しいから後でいれたのかな?」と思われる背景の要素や、「なんだか背景の色使いがうるさくなってキャラが目立たないな」という色味や、「キャラのレイヤーに輪郭線やドロップシャドウを強めにかけているけど、背景と馴染んでいない」など、 最後に完成度を高めるための見直しや工夫がされていないと感じる作品が多かった印象です。
絵の上手さは線の綺麗さ、デッサン、かわいさ、ポージング、など各工程でもある程度決まりますが、 最終的なフィニッシュ時に「イラストとしての完成度をどう高めるか」によって仕上がりが大きく変わります。
この観点は完全に 考察とテクニックによって培われるもので、いわば 学べば習得できる技術的な要素です。 提出前に1時間程度見直すなど、積極的にブラッシュアップの時間を取りましょう。
など、イラストの細部にまで魂をこめる作業をしてみてください。
このようなポイントをどうやって作品に落とし込むのか、受賞作品で具体的にチェックしてみましょう。個別アドバイスを、MUGENUPお馴染みの講評形式でご紹介します。
こちらが今回の最優秀作品です。おめでとうございます!
口を大きく開けた笑顔の表情、カメラ目線、プレイヤー側へ手を差し伸べているポーズなど、ハッカドール1号の明るさや人当たりのよさが良く表現されている点が非常に良いですね! 顔、お尻から太ももなど、魅せ所をよく考慮しています。また、質感をいかした丁寧な塗りで魅力的な1枚に仕上がっています。
一方、このポージングは王道感がありますが、躍動感を出しづらいため
などの工夫を入れると良いでしょう。
デザイン風の背景に使っている色数が多いものの、ごちゃごちゃせず綺麗に収まっているのが上手いですね。背景は空気遠近法を取り入れて遠くにある部分を青または白く塗るなどで遠近感を出したり、使用するモチーフを統一したり背景にもテーマ性を加えると更に良くなります。
舞台設計が素晴らしい作品です!
スマホと関連する小物の上で、カメラ目線で横たわるハッカドール1号。そこを強いライトで照らす事で「手のひらサイズの電子の妖精」といえるような妖艶な雰囲気が出ています。
立体感のある塗りも非常に上手いです。肌色、ドレスの布地、小物、髪という質感の異なる素材をハイライトの処理、グロー処理、シャドウの色味を変えることで巧みに表現しています。特に髪の毛はとても柔らかそうに描写されており、床面に映る姿も含めてとても魅力的です。絵としての完成度は申し分ありませんが、キャラクター性をもっとうまく表現できるとより良いですね。元気で無邪気な雰囲気をいかす為に顎は引かず、舌はもっと大胆にぺろっと出してみてください。「1号らしい」いたずらチックでお茶目な感じが表現できるでしょう。
元気なポーズや表情、スピード感や勢いを感じる背景など、ハッカドール1号の元気さをまっすぐ表現している点が非常に好感です。
立体感のある塗りと、グラデかかった色トレスなど、丁寧な描写によって完成度が高いイラストに仕上がっています。線も手前と奥で太さを変えたことで、勢いと立体感がある表現になっていますね。瞳に星を入れるというという、空間にある物の映りこみを入れたのは良い着眼点だと思います。魅力的な表情が引き立つポイントになっています。
ハッカドール1号の元気さが表現されている一方で、女性らしさに少し欠ける表情だったかもしれません。歯を食いしばっているよりも、口を小さくする、口角をきゅっと挙げた笑顔にすると、ぐっと女性らしく仕上がったと思います。
明るい表情、プレイヤーとばっちり合う目線、両手を広げて脚を閉じてジャンプしている元気で浮遊感のあるポーズなど、1号のキャラクター性が非常によく表現されています。デフォルメ感のある太めの線画が力強く、まさに元気いっぱい!
という躍動感を演出できています。塗りはあっさりしていますが、肩や胸、頬にブラシツールで質感を丁寧に描写している点も好感でした。肌が髪のハイライトと色がほぼ同じで、全体に黄色がかった印象になってしまった点が惜しいです。
肌に赤みを足すなど、血色が良くなるように色数を増やすと良いでしょう。絵の立体感を出すために光源の位置を明確に決め、ハイライトとシャドウの形や強さを意識して仕上げると、抜群に存在感が高まった1枚になるでしょう。
セクシーさが際立ち、男性ユーザーからの反響が予想される作品です。衣装をめくる、片方の髪飾りが取れているなどの大胆な演出と、あどけない表情や光沢感のある塗りが組み合わさってエロティックな雰囲気が出ています。
ターゲットを男性と想定して、是非足先まで描くと良いでしょう。この絵を見てタイツの足先も見たい! と願った男性は多いはずです。
背景がほとんどないにも関わらず、影、配置されたパーツのパースで空間を表現しているのが面白いですね。描かずに伝えるというのは難しいため、高度なセンスを感じました。ドット処理をしたキャラ絵を背景にうっすら浮かせるのは良く使われている手法ですが、今回はカットしてみてください。キャラだけに視線が集まるようにフィーチャーしてあげることで、魅力が増すと思います。
▼ホットスポットはこちら
上位5作品はアドバイスを元に、各クリエイターさんによるブラッシュアップが進行中です。アプリ『ハッカドール』では、よりクオリティがUPしたエンドカードとしてリリースされるかも!?楽しみにお待ちくださいね!
▽DeNAハッカドールアプリはこちらからDL
前記事:DeNA『ハッカドール』流 版権イラストに“イノチ”を吹き込む6つの方法
ハッカドール:
君にシンクロするニュースアプリ