デビューして分かった「プロとの壁」 若手イラストレーター② ねたろぅ
2016.02.26
今回はイラストレーターのねたろぅさんのイラスト制作メイキングをご紹介。
ねたろぅさんはいちあっぷ講座が期待する新鋭イラストレーターのひとりです。
ラフから仕上げの調整まで、余すことなく公開してくれました!
気になるブラシの設定や、キャラクターイラストを描くときに重視しているポイントなど、勉強になることが満載です。
なんだか柔らかそうで可愛いらしい女の子を描くねたろぅさんのメイキングを通して、キャラクターイラストを魅力的に描く方法を学びましょう!
使用ソフト:ペイントツールSAI
はじめに大ラフをざっくりと描いて、構図やポーズを決めます。
「イメージや形が何となく伝われば。」の意識で描いています。
大ラフを元に詳細ラフを描いていきます。
描いたラフを灰色系で塗りつぶし、シルエットと余白を意識しながら、ラフを調整します。
この段階で調整しておくと、下地色を置いたときや着色時にできる形のズレ、違和感を緩和できるので便利です。
ラフ、大ラフは同じ設定のブラシを使っています。
太さや色の強弱を意識して線を描きます。
最近まで、線画の強弱をつけていなかったので、意識するようにしました。
線画の強弱の付け方ですが、私は完成した線画を複製して、乗算、オーバーレイなどを重ねることで付けています。
はじめに、線画の外側を選択範囲で囲い、反転してキャラクターを塗りつぶします。
塗りつぶしを元に下地を肌や服などのパーツごとに分けて、それぞれを着色します。髪の毛のパーツ分けでは前髪と後ろ髪などで分けておくと塗りが楽です。
こちらが下地塗りを元に分けたレイヤーです。各パーツをフォルダ別に分け、名前をつけておくと便利です。
着色方法は、水彩ブラシ(※1)などのやわらかめのブラシでしっかりと描き込み、マーカーブラシ(※2)のような硬めのブラシでメリハリを付けながら馴染ませることを繰り返して描いています。
水彩ブラシ(※1)で1影を塗ります。水彩ブラシは女の子の柔らかさが出るのが良いですね。
ただ、水彩のようなふんわりしたブラシはイラスト全体が「ぼやけて」メリハリがない絵になりがちなので注意しましょう。
マーカーブラシ(※2)で2影、3影を塗ります。
鉛筆やマーカーブラシなどの硬めのブラシで落ち影や境界線を描き足すと、メリハリが出て見栄えがよくなります。
SAI使用時はパーツごとに分けたフォルダをクリッピングして作業しています。結果、シルエットにクリッピングされて作業効率が上がります。
仕事ではpsdで納品する場合が多いので、仕事以外の絵で使うテクニックです。
各部分の頂点にハイライトを入れます。
特にメリハリをつけたいところや視線を誘導したい場所を意識して描いていきます。
最後に絵全体のバランスを見て調整をします。
一番上に新規レイヤーを作成し、線画の強弱や髪の付け足し、影などを追加して微調整しました。
私が特に意識しているポイントは以下の7つです。
特に顔とフェチについては非常に重要だと思っています。
キャラクターイラストは顔のデザインが一番重要だと思います。
イラストを見たとき、最初に視線が誘導されるのが顔だからです。正確に言うと、目に視線が誘導されています。なので、一番意識しているポイントは顔だと思っています。
顔の次に、フェチポイントへ視線が誘導するように描き込んでいます。
人にはそれぞれのフェチがあるので魅せたいところを増やし、しっかりと描くことで見ていただく方々への心に刺さる割合をより大きくしていければと思っています。ただ、多くし過ぎて視線が散ってしまわないように注意しましょう。
イラストレーター。『ガールフレンド(仮)』(株式会社サイバーエージェント)やゲームの原画などを手がけている。20歳からイラストを独学で学び、僅か数年でイラストレーターとして活躍できるまでに。現在も精力的にイベントの参加や様々なジャンルのイラストの仕事し、活躍の幅を広げている。
◆ホームページ http://netarou.jp/
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