かわいい女の子の衣装にフリルはつきもの。描き方を調べてみて「波を描く様にフリルを描くのがコツ」みたいな講座を見つけたものの、実際やってみても上手くいかない……という経験、あると思います。「波を描く」だけでフリルっぽく見せることはできますが、立体感が欠けてしまいがちです。
今回はフリルがうまく描けない方向けに「立体感があるフリルの描き方」を紹介します!
フリルが上手く描けない3つの原因
なぜ講座どおりに描いても、思ったようにならないのでしょうか。
具体的には
1.細かい波線の集合になっている
2.奥行きがないため、平面的に見える
3.フリルがすべて同じ形になっている
の3つが主な原因かと思います。
惜しい作例を参考にしつつ、3つのポイントを改善していきましょう。
ボリュームアップして華やかに
せっかく詳細までデザインしているのに、幅の狭い小さいフリルは見えづらく残念です。
また、あまり小さく描くと、フリルというよりレースのように見えてしまいます。
細かい描き込みを多くして描き込み量をアピールすることも大事ですが、細々としていると折角のフリルがつぶれてしまい勿体ないです。
存在感を出すためにボリュームをつけると、フワッと華やかで豪華な印象になります。
豪華に見えたほうが可愛らしい印象になるので、一つひとつを大きめに描いてみましょう。
フリルに立体感をつける
奥行きがなく、平面に見えるフリルは、構造を考え、体の向きに合わせると、立体感を出すことができます。こちらのイラストでは、肩のフリルにハリ感を出し、ボリュームをアップさせ立体感を出しました。この構図の場合、手前のフリルは内側が見えて、奥のフリルは外側しか見えないので、その違いがさらに見応えのある要素になっています。
フリルの作画だけ精密にしすぎると、スカートやエプロンとは別のパーツに見えてしまいます。一つひとつの形をしっかり描くことはいいのですが、「フリルは本体にくっついている布」ということも同時に意識しましょう。
フリルの向きに変化を付ける
フリルが全て同じ形、同じ向きになっている場合は、パーツごとにフリルの見え方を変えてみましょう。
各パーツのフリルの形状が一緒だと重めの印象になり、少し野暮ったく見えて可愛さに欠けます。そんなときは、フリルの角度に合わせてアオリやフカンを付けて裏地が見えるようにしましょう。裏地が見えることでフワッとした空気感が生まれ、可愛らしさが生まれます。
肩のフリル、エプロンドレスのフリル、スカートのフリルに差をつけていくと、華やかながらメリハリがついてスッキリした印象になるかと思います。特に女の子のキャラクターイラストだと大げさな表現のほうが魅力的に見えるので、フリルは思い切りのびのび描いたほうが華やかになります。
応用:塗りでフリル生地に質感を出す
着色も一手間かけるだけで、フリルらしさを出せるポイントです。
基本的にフリルはつやつやしたサテン生地をイメージすると、塗りやすいですが、あまりパキパキとさせすぎて固く見えないように、消しゴムで端を消してやわらかい印象にしましょう。
布と布の境目は少しエッジを効かせましょう。フリルは軽い素材の場合が多いので、あまりカゲをつけすぎず、あまり暗い色を使わないほうがいいです。
光沢のある生地にはハイライトを入れてみたり、ペチコート(スカートの下に履く女性用の下着)なら、透けさせてみたりと、メリハリをつけると見どころが増え、クオリティアップに繋がりますよ。
いかがでしたか?
フリルは描き込みが多いので作画時間が掛かりますが、ちょっとした意識の変化で描きやすくなると、作業も楽しくなるのではないでしょうか。
作家さんによってフリルの形が違ったり、ふんわり加減に個性が出るので調べるとなかなか奥が深いです。今回の講座で、フリルを描くときの手間が楽しみに変われば幸いです。
[著・画:柳葉キリコ(やなばきりこ)]
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2015年12月からフリーランスのCGイラストレーターとして活動。
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