キャラクターを描くとき、斜め左を向いた顔ばかり描いていませんか？
手癖や腕の動きやすさが原因で、他を向いた顔が描きにくいと思います。その結果、右向きは勿論、簡単そうにみえる正面向きの顔もバランス良く描けないのではないでしょうか。
右向きを描く場合は、左右反転ツールを使うことで簡単に描けますが正面向きはできません。そんなとき対称定規を使うことで正面を向いた顔をバランスよく描けます。
今回はCLIP STUDIO PAINTの対称定規を使って正面を向いた顔をバランスよく描く方法をご紹介します。正面を向いた顔を描くのが苦手な方は要チェックですよ。
正面顔を描くテクニック
正面の向いた物を描くときに『対称定規』を使うと一発で左右対称に描くことができます。
以下の例で使用方法を見てみましょう。
※（誤）対象定規→（正）対称定規
1. 「定規作成」ツールを選択し、サブツールから「対称定規」を選びましょう。
2. アタリレイヤーの顔の中心線に沿ってドラッグすると、１本のラインが引かれます。これが対称定規です。
3. ラインを中心に顔の片面だけを描くだけで、反対側が自動的に描画できます。
このツールはとても便利ですが、そのまま線画で使ってしまうと違和感が出てしまいます。
自然に仕上げるコツは下描きでツールを使い、線画（清書）はフリーハンドで描くことです。
注意点：消しゴムは対称定規にスナップされていない
基本設定の状態では、「消しゴム」は対称定規にスナップされてないですが、下図のように設定することで消しゴムにも対称定規の効果を付けることができます。
１. 対称定規にスナップしたい消しゴムブラシを選択します。
２. ツールプロパティの右下にある「詳細パレットの表示」アイコンをクリックします。
３. 「補正」タブの「スナップ可能」のチェックをすれば、対称定規にスナップするので片面を消しゴムで消せば、逆側の同じ箇所も消せます。
対称定規のオン・オフの切り替え方
対称定規のオン・オフを切り替えることでフリーハンドと対称定規を交互に使い分けることができます。
レイヤーパレット右上にある「定規の表示範囲を設定」アイコンをクリックして「編集対象のときのみ表示」チェックを外せば対称定規はオフになり、フリーハンドで描くことができます。また、対称定規を使いたくなったらチェックを入れましょう。下描きではブラシサイズを気にせず、清書しやすい程度まで描きこんでいきましょう。
用途に合わせて対称定規を活用しよう
顔は必ずしも左右対称ではないですが、左右のバランスがあまりにも歪んでしまう場合は対称定規を使用して正面を向いた顔を描いてみましょう。
他にも壺やペットボトルなどの「人工物」は左右対称で作られているものが多いので、背景の小物作画にも活用ができますよ。楽しみながら応用法を考えてみてください！
[著・画:天川詩月（あまかわしづき）]
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Twitter https://twitter.com/shizukiamakawa
2002年12月からフリーランスのCGイラストレーターとして活動。
過去にアナログで漫画を描いていた経験を活かし、2013年からCLIP STUDIO PAINT EXを使い始めました。
