乙女ゲー風の画面にしてみたいけど、やり方がわからない。素材やブラシは何を使えばいいのかわからない方。今回は「キラキラエフェクト」と「玉ボケ」を使って乙女ゲー風の画面のような、華やかなイラストにする方法をご紹介します。
エフェクトの付け方はコツさえつかめば簡単です。少ない時間で画面を華やかにする方法が身につくので実践してみましょう。キャラ絵はよく描くけれど、イラスト加工をあまりしたことがない人はオススメです。
乙女ゲーに頻出するエフェクト
キラキラエフェクト
「キラキラエフェクト」は主に太陽光や照明光、空気中の塵やほこりの反射光、金属の反射光です。
塵やほこりの反射光は暗い場所に強い光が当たっていると確認しやすいです。例えば、映画館で映写機の周りがキラキラして見えますよね。
玉ボケエフェクト
「玉ボケエフェクト」は、写真でピントが外れたときに光がぼやけて見えるものです。木漏れ日やイルミネーションなど、光源が点になっているもので確認できます。
玉ボケの簡単な仕組みはこちらです。
このふたつを組み合わせて画面を華やかに盛り上げてみましょう。
やりすぎないのがコツ!失敗例から学ぶエフェクトの付け方
最初にエフェクトのざっとした説明をしましたが、乙女ゲー風の画面は「プレイヤー目線のロマンチックな画面」なので、物理的にありえない箇所もキラキラさせていきましょう!
今回はこちらのイラストを乙女ゲー風に加工します。夜の海で、男の子が自分の手を引っ張ってくれている、乙女ゲーム的なシチュエーションです。
まずは失敗例から見てみましょう。
慣れてない人がやりがちな失敗例
1.エフェクトを人物の周りにつけすぎる(特に顔周り)
画面を華やかにしようとして、キャラクターそのものをキラキラさせてしまい失敗することがよくあります。キャラクターを背景やキャラ周りの空間と同じようにエフェクトをつけてしまうと、キャラが空間と同化してしまい、逆に目立たなくなります。キャライラストで見て欲しいポイントはまず顔とポーズなので、このふたつをジャマしないようにエフェクトを置いていきましょう。
この絵の場合だと「男の子の顔」と「引っぱってくれている手」がポイントなので、ここの周りにはあまりエフェクトを付け過ぎないようにしましょう。「エフェクトを付ける=目立たせること」ではなく、あくまで雰囲気作りのためであることを意識するのが大事です。また、見せたい箇所をはっきりとさせることで画面も引き締まります。
2.エフェクトの付け過ぎで絵全体のバランスが崩れる
絵全体にかかる加工によって、元のイラストの雰囲気が無くなることもよくあります。
この絵だとエフェクトを付け過ぎてしまったことで、キャラと背景の差があやふやになっています。明暗のバランスが崩れて奥行きがなくなったり、元々の形が分からなくなってしまい、非常に残念です。光エフェクトや玉ボケの不透明度や色味を変えて、元の絵の良さを出しつつ、加工していきましょう。
エフェクトの使い方
上記2点に気をつけて加工をしてみました。
キラキラエフェクトは金属や、埃の反射光をメインに配置しました。月明かりはそれほど強い光ではないので、不透明度を下げたり、エアブラシ風の消しゴムで面積を削ったりして画面全体の明るさを調整しました。玉ボケも同様に不透明度を下げ、全体的にサイズを縮小し、夜の海であることを活かすため、色を青系に変更しました。
使用したエフェクト
今回はこちらのブラシを使って作業しました。大きさによって印象も異なるので、色々試してみるのも楽しいかと思います!
いかがでしたか?
感覚を掴むまでに少し時間が掛かるかもしれませんが、コツをつかめば、キャラクターの魅力を引き出すポイントになるので、ぜひ試してくださいね。こちらの講座が少しでもイラストの雰囲気作りのお役にたてれば幸いです。
[著・画:柳葉キリコ(やなばきりこ)]
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Twitter https://twitter.com/yanabakiriko
2015年12月からフリーランスのCGイラストレーターとして活動。
乙女系コンテンツが大好きです!