プロの現場で生まれた『イラストの描き方講座』

夏祭り✕ユニット系! alma流イラストメイキング

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 夏祭り✕ユニット系! alma流イラストメイキング

装丁からゲームイラストまで、様々なテイストのイラストを制作されているフリーイラストレーターのalmaさん。

 

今回はalma流ユニット系イラストのメイキングを記事にしてくれました。

 

テーマを決めてから仕上がっていくまで、どのような工程があるのでしょうか?

プロの制作ロジックを学んでみる機会をお見逃しなく!

 

<著者紹介>

イラストレーター:alma

アートディレクターとして勤務したイラスト制作会社を退職後、書籍の装画やカットイラスト、ゲームイラストを中心に活躍中のフリーイラストレーター。オリジナリティ溢れるキャラクターデザインから、背景イラストまで幅広く手掛ける。

 

代表作:額賀 澪 『タスキメシ』(小学館) 装画、加藤 俊徳『脳が若返る 記憶力育成ドリル』(宝島社) 装画/挿絵、各種ソーシャルゲームイラスト制作など

1UPクリエイターセレクション vol.2 - alma

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ユニット風イラストメイキング

1:テーマを決める

今回はモバイルゲームのユニット風のイラストの制作です。自分が金魚や水、和を取り入れたものを描きたいと思い、時期も丁度良かったのでテーマを「夏祭り」としました。

 

テーマ設定の際はとりあえず描きたいモノひたすら文字に起こしてメモして決めます。そうすることで、イラストのイメージを固めやすくしています。

2:イメージラフをざっくり描く

イメージラフ

ポージングや人、小物の配置などをざっくり描いてイメージを膨らませます。

 

配置は人物→金魚→水のエフェクト→提灯の順番で決めました。その他にもけん玉、お面、提灯、金魚すくいなど、夏祭りに連想されるアイテムを配置していきます。

3:詳細ラフで色、構図、動きのイメージを明確にする

詳細ラフ

先ほどの大まかなラフを詰めていきます。

 

普段趣味絵を描くときはラフに色をつけることは少ないのですが、お仕事で制作するイラストの場合、ラフにも配色します。そのほうが全体の色合いを見ながら配置を考えやすいと感じることがあったので、今回カラーラフにしてみました。


三角構図

また、今回のイラストのメインは人物なので、人物2名と手前に来るけん玉の玉をベースに三角構図を作っています。

 

▼三角構図など構図の基礎について知りたい方はこちら

イラストが映える黄金比は存在する!覚えておきたい構図の基本3選

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一度描いて、気に入らない部分があったら修正を加えます。

今回はラフでの女の子が気に入らなかったので、若干ポージングなどを変更しました。

 

ポージング修正


動きについては非現実的な世界観が好きなこともあり、モノを飛ばしたり、浮かばせたりする表現をよくします。

 

特にユニット系は、フィギュアのように全身を入れるイラストではありますが、棒立ちでは面白くないのでとにかく全体的に動きを感じられる絵にすることを意識しています。

 

ラフ段階である程度固めるということを大切です。昔はあまり意識していなかったのですが、絵のお仕事を始めてから考えるようになりました。

 

☆チェックポイント:ユニットイラストを制作する際には意識していること

  • 画面内にちらばりすぎないように、全体をバランスよくまとめる
  • 画面内で手前~奥行きをつける
  • 動きを感じさせる

4:線画を起こす

 線画

ラフをもとに線画を起こします。線画はCLIP STUDIO PAINTのGペンを使用しています。

後から配置移動させたりする調整があったりなので、男の子、女の子、金魚、提灯などパーツごとに別のレイヤーで制作し、重なって見えなくなる部分も描いています。

 

人物はパーツごとに細かくレイヤー分けをし、フォルダにまとめておくと、色トレスなど後の作業がしやすくなります。

レイヤー調整

5:ベースカラーを塗っていく

ベースカラー

今回はラフの段階で配色していたので、あまりこの段階で色に悩むことはなくラフにあわせてベタで色を置いていきます。

6:塗りこんでいく

配色を決めたらあとはひたすら塗り込みます。

夏祭りという和をテーマにしたので、今回はちょっと筆っぽい塗り方にしました。

 

一度塗り終わった後に、キャラクター線画の色トレスを行います。その後線画の上から少し加筆。形を整えたり描き込みしたりします。

着彩順

人物→金魚→提灯→エフェクト(形を取るところから着彩まで)の順番で塗りました。

メインの物や手前にあるものから塗っていきます。

 

今回メインから塗ったのは、「塗り込みの基準」を決めるという理由からです。

背景つきのイラストだと、全体を徐々に塗りこんだほうが距離感やまとまりを出しやすいと思うのですが、ユニット系は背景がないものなので、ひとつ基準となる塗り込みを決めてから、それに合わせて周りも塗り込みました。

 

奥行きを意識するのを忘れると全体がベタっと平面に見えたり、パーツが多いとごちゃつきが目立ったりするので、着彩時は注意しましょう。

 

例えば今回のイラストでは、手前の腕から奥の提灯まで距離があるので、提灯に少し淡い色を置くようにして距離感を表現しました。

 

けん玉の玉とその後ろのエフェクトなども同様の処理をしています。

奥行きを付ける

塗り工程ではCLIP STUDIO PAINTのGペン/不透明水彩/透明水彩/濃い水彩を使用しました。 (今回は既存のものを使用し、不透明度のみ適宜調整しました)

7:黒フチを付ける

 黒フチを付ける

全体が塗り終わった後に、パーツごとに「黒フチ」をつけます。

 

あくまで「ユニット風」というだけなので黒フチにつける必要ないかもしれませんが、あると絵がハッキリとした雰囲気となり、画面を小さくした際でも見やすくなります。

8:仕上げをして、完成!

完成

最後の仕上げをします。

 

全体を塗りこみ、最後にキラキラとした表現を足したり、塗り残しなどを確認し、少し陰影の調整をします。(今回は目元の赤に入れるのとけん玉のフチを忘れていたので最後に足しました。)

 

仕上げではこういった点に気をつけています。

  • 陰影や距離感
  • 全体の色のバランス(画面がうるさすぎないか/見やすさ)
  • 人物やモノの形に違和感はないか

 

今回のイラストだと

  • 男の子と女の子の洋服や肌の塗り込み具合に差がないか
  • 男の子と女の子/けん玉と水のエフェクトとの距離感の表現はつけすぎてないか
  • 金魚の反射光に違和感を感じないか
  • 追加したキラキラとしたエフェクトはうっとおしくないか

などをチェックしました。

 

仕上げの確認が終わったら、完成です!

編集部まとめ

almaさんのメイキング、いかがでしたか?

 

大まかなにレイアウトを決めてから、ラフの時点で細かく調整することが、完成度の高いイラストのポイントになるようです。

色々な要素が混じった「ユニット系」イラストは難しく感じますが、Almaさんのようにしっかりラフから作り上げれば、かっこいい世界観のイラストが描けるのではないでしょうか。

 

今回の記事を見て、almaさんのイラストをもっとたくさん見たい!と思った方は是非ウェブサイトにアクセスしてみてください!

 

alma Webサイト:

http://cavalletto3.wix.com/caaaan-jp

Twitter:

https://twitter.com/alllma_original

 

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