とにかく多く売りたいなら「リード」を増やせ! 同人誌×マーケティングの基礎

とにかく多く売りたいなら「リード」を増やせ! 同人誌×マーケティングの基礎

コミックマーケット90が8月12日~14日に行われます。

同じ趣味を持つ方との交流やお気に入り作品の布教、販売目的など参加する意義は人それぞれですよね。

 

その中で、今回は特に販売を目的とする方向けに『同人誌をより多く売るためのマーケティング基礎知識』をご紹介します。

 

絵は上手くなっているのに購入者が増えないといった方は、マーケティングの基礎に則った戦略を考えてみましょう。

 

 

 

画力を高めれば売れるわけではない

同人誌を多く売るために画力を高めることは間違ってないです。むしろ正しいですが、目に見えるような効果が現れなかったりしていませんか。

コミケビジネス2

他にも、一時は売れたが次のイベントでは売れず、安定しない方もいるのではないでしょうか。

 

これらを見直すために「リード・CV・LTV」を把握することで、上手く行かない原因を分析できるようになります。

それでは各要素を押さえて売上をアップさせましょう!

リードして見込み客を増やそう

リードとは将来購入してくれるかもしれない層(見込み客)です。

 

まず、あなたの作品のことを知らなければ購入機会すら起きないですよね。つまり、知ってもらうことが大切です。

 

このリード数が、あなたの作品を買う限界数となるので一人でも多くの人にあなたの作品を認知させましょう。

同人活動におけるリードの増やし方

それでは、どのようにリードを増やせばいいのでしょうか。

いちあっぷ講座では過去のインタビューでこのようなコメントがありました。

 

――ここまで成り上がるにはどうすればいいのでしょうか。

どれだけファン数を抱えられるかだと思います。私は主にpixivとTwitterだけでファンを獲得しましたね。

 

簡単にいうと需要のある人気キャラクターの二次創作やエッチな絵をSNSにアップし続けるだけです。

年間◯◯◯万円売り上げる人気作家が同人活動を続ける本当の理由とは?より引用

 

リードは「一人でも多くの人にするべき」と先ほど述べましたが、pixivとTwitterに絞る理由はユーザー層が限定的であるからだと考えられます。同人誌の場合、購入層がアニメや漫画好きの方が多いので、その層が大勢いる媒体に告知する方が効果的です。

 

その為、むやみやたらにリードするのではなく、特定の層が見込めるところで行うのがベストです。

リードを獲得しやすいのはTwitter

Twitterはリードを獲得する上で効率が良いです。公開したイラストがフォロワーの心に刺されば大きなバズ(RTがたくさんついて拡散されること)が生み出され、より多くの方々に知ってもらえる機会があるからです。

 

意図してRTを稼ぐ方法として例えば、

 

コツとしては人気キャラの二次創作を描いて胸やお尻の強調、キャラの属性にあったグッと来るシチュエーションを描く、などです。麻雀の役を揃えるイメージで、ユーザーに刺さる要素を揃えていくと良いのではないでしょうか。”

年間◯◯◯万円売り上げる人気作家が同人活動を続ける本当の理由とは?より引用

 

といったやり方もあります。

他にも漫画やネタ絵を投稿すると、反響が大きく出るようです。

クオリティや見せ方を工夫してCVを高めよう

CV(コンバージョン)とは、「目標の達成」を指します。(キャラクターボイスの略称ではないです!)今回の目標達成は同人誌の買ってもらうことなので「購入」をCVとします。

 

CVを上げる方法は作品の品質を上げたり、作品を魅力的に伝えたりすることで向上できます。例えば、画力を向上させてイラストのクオリティを高めるのはもちろん、表紙デザインを凝って見栄えを良くするなど購入へ繋げる方法は様々です。あなたの作品が素晴らしいものだと見せつけてやりましょう。

リピーターを増やしLTVを拡大しよう

コミケビジネス2

LTVは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称です。顧客が取引期間を通じてどのくらい利益に貢献するかを計算したものです。これはリピーター(ファン)を増やすことで拡大できます。

 

冒頭で述べた一時は売れたが次のイベントでは売れず、売上が安定しないのはLTVが低いのが原因です。

 

このLTVを伸ばすには、CVで獲得した方とコミュニケーションを取ることが大切です。作品をSNSにアップし続けて、あなたの存在を周知させることや、ファンに対して「いいね」やコメントするのもいいでしょう。

 

他にも、イラストレーターのこうましろさんはニコ生を2000回以上も行って、応援してくれるファンと密なコミュニケーションを取っています。絵の魅力も勝ることながら、アクティブな発信により認知度を高め、現在10万人以上のフォロワーがいる人気イラストレーターとして活躍しています。

 

たくさんのイラストレーターがいる昨今、積極的にコミュニケーションを取っていかないとフォロワーはあなたのことを忘れてしまい、興味を失ってしまうこともあるので自分からの発信は継続的に行っていきましょう。

 

成果=リード×CV×LTV

マーケティングの方式では、「成果=リード×CV×LTV」として考えることができます。肝は掛け算です。3つの中で弱いところを優先的に改善することで成果につなげることができます。

点数に置き換えて弱いところを把握しよう

まず、こちらの点数に換算して考えてみましょう。

 

リード:0点(全く宣伝していない状態)←→10点(宣伝不要の状態)

CV:0点(魅力がない状態)←→10点(宣伝すれば簡単に売れる状態)

LTV:0点(リピーターがいない状態)←→10点(買い続けるファンがいる状態)

 

例えば、同じぐらいの絵のレベルのAさんとBさんがいるとして、BさんがリードとLTVを上げるために宣伝活動を頑張ったとします。

 

■Aさん(宣伝やユーザーとのコミュニケーションを取らない)

2(リード)×2(CV)×1(LTV)= 4

 

■Bさん(宣伝やユーザーとのコミュニケーションを頑張る)

7(リード)×2(CV)×8(LTV)= 112

 

すると、BさんはAさんの28倍もの成果が出ます。

「1=500円」だとすると、Aさんが2,000円、Bさんが56,000円となり大きく売上が異なるのが分かりますね

コミケビジネス

つまり、リードやLTVを疎かにしていると絵が上手い人でも

2(リード)×7(CV)×1(LTV)=14

となり、成果が現れない状況になってしまいます。

 

この考え方を知っておくことで、どこを改善していくべきかの指標となります。

以上、今回はマーケティング×同人誌をテーマに、基礎的な売上の測り方をご紹介させていただきました。


販売目的で売上を上げたい方は、まずはこの観点から取り組んでみてはいかがでしょうか。参考になれば幸いです。

 

▼参考

http://whitexblack.net/shikou-marketing/read-cv-ltv.html