今回のテーマは「帽子の描き方」。キャラクターの個性を演出する定番アイテムです。
帽子と言っても様々な種類がありますが、この記事では一般的なベースボール型キャップ(ツバの曲がったタイプ)の描き方を考えます。
ベースボール型キャップ(以下帽子)を上手に描けるようになるために、帽子の構造から考えて、描き方を習得してみましょう。
帽子の構造を単純化して考える
まずは帽子の構造を単純化して考えてみます。
簡単にでも、構造を頭に入れておけば描くときに役立ちます。
正確性より単純化して考えてみてください。
真上から見た帽子の構造
この楕円形を、真上から見た帽子本体とします。
同じサイズの楕円形を下にずらし、左右を直線で繋げるとツバになると考えます。
本体は6つのパーツでできています。
横から見た帽子の構造
ツバが曲がったタイプの帽子は、横から見ると「へ」の字に曲がっています。
この「へ」の字の曲がりは、ツバを折り曲げることで出来ます。
(ツバがストレートのままのベースボールキャップは「へ」の字に曲がっていません。)
ツバが曲がっているタイプの帽子を描くとき、この「へ」の字に曲がっている点は重要なポイントです。
帽子を描くときに、帽子のフチを頭と水平に描くと、上のイラストのように目深に被った状態になります。
これは先に述べたように、帽子が「へ」の字に曲がっているからです。
なので帽子を被せるときは角度をつけて被せることを意識します。
正面や斜めの角度から顔を描くときも、帽子に傾斜をつけて被らせることを意識します。
逆に目深に被らせたければ水平に近い傾斜にします。この傾斜をコントロールすることで表現の幅が広がりますよ。
帽子の描き方
次に、「帽子の描き方」を順を追って紹介します。
1.頭に合わせて帽子本体のフチを描く
2.「へ」の字を意識してツバを出します。
3.赤い線のツバ両側面を同じ角度に合わせます。
ツバ両側面の角度のズレが大きいと、不自然さが目立つので目測で良いので合わせてみて下さい。
4.ツバの曲線はS字をイメージ
ツバはS字を横にした状態をイメージすると良いガイドになります。ただし、正面から描くときは、ツバはS字ではなくW字のようになります。
5.反対側のフチに終点がくることを意識する
見えてる側を描き始める始点として、見えない側に終点があることをイメージしましょう。終点は帽子のフチと交わる点にあります。
6. 帽子本体の6つのパーツを意識して描いてみる
帽子全体をいきなり描くのではなく、6つのパーツを意識して一枚ずつ、パーツごとに描いてみます。
7.コツ:帽子と頭の間にできる隙間を意識
帽子と頭の間に出来る隙間も意識するとらしく見えます。
また帽子本体はキレイな丸ではなく、やや角張った丸で描いた方が帽子らしくなるのでオススメです。
ピタッとした帽子もカッコイイですが、あまりピタッとして丸すぎると、ヘルメットのように見えてしまうこともあるので、良いバランスを見つけてみて下さい。
ハンチングやサンバイザーの描き方
帽子のフチとツバの部分が描ければ、ハンチングやサンバイザーなど、他の帽子にも応用が利きます。
描くときのポイントまとめ
- ツバが曲がってる帽子は水平に被らない
- 顔正面から後頭部にかけて傾斜をつける
- フチとツバで「へ」の字に曲がっていることを意識する
- ツバの曲線はS字のイメージ(正面はW字)
- ツバの両側面の角度を合わせる
最後に
帽子を描くときに一番難しいのはツバの描き方だと思います。
微妙なカーブの連続が表裏と絡み合い、形を捉えるのが難しいです。
今回は単純化して描き方を考えてみましたが、帽子の描き方は奥が深くて、自分もまだまだわからないことだらけです。
一番良いのは実物を観察することですので、帽子の描き方に興味をもった方は、ぜひ実物をよく観察してみて下さい。
私の描き方を第一のステップとし、皆さんそれぞれの帽子の描き方を見つけていただけば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
著・画 ぐふ
イラストレーター・その他諸々
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