運命の出会いがそこにあるかも! フランス人編集者と(出版契約が)結ばれたらどういう生活が待っているのか?

運命の出会いがそこにあるかも! フランス人編集者と(出版契約が)結ばれたらどういう生活が待っているのか?

はじめての方は、はじめまして! 前回の記事を読んでくれた方はお久しぶりです!フランスの漫画出版社Ki-oon (キューン) の東京オフィス代表のキムです。

 

この前の記事に書いた通り、2016年から新人作家を日本で募集しています。デビューするならフランスがアツいですよ!

でも、フランスの出版社とマンガを制作するなら、具体的にはどうやって出会いの場を作るのか、連絡をどうとるのか、漫画作りをどう進めるのか? という疑問がきっと湧いてきますよね。

 

フランス人らしく、ロマンチックに答えてみます!

 

 

運命との出会いの場はどこですか?

日本ではコンテストによる募集をしていないので、直接アプローチするのみです!

 

例えば、東京で開催されているコミケとコミティアに毎回行っています。

そこでフランスでウケそうな絵柄やテーマの同人誌を集めて、ポテンシャルを感じた作品の著者さんに連絡します。

同じように、弊社のカタログに合っていそうなウェブコミックを発見すると、こちらからお声がけしています。

 

逆に、こちらのウェブサイトで記事を読んでくださったりして、興味を持っていただいた方からご連絡を頂くこともあります。 大歓迎です!

 

ちなみに、作品担当者は私と弊社の社長の二人だけです。日本語はできますので、そこはご心配なさらず!契約書も日本語で交わします。    

Ki-oon  

▲ 私(キム)と弊社の社長兼編集長のアメッドです。
二人とも日本の文化と漫画が大好きです。

あなたの本気が運命を変える!

連載雑誌がないので、読み切りから始めるテスト期間がなく、契約したら最初から単行本単位での長編漫画を作ることになります。

 

描き下ろしの単行本の制作には忍耐力が欠かせません。最初から本腰を入れて頂きます!そのため、長期的にペースを崩さずにストーリーを作れるかが重要です。

 

その反面、急な打ち切りの可能性が極めて低いです。Ki-oonでは、漫画家さんがちゃんと仕事をこなせれば、シリーズとして考えている作品に関しては、少なくとも二、三巻は発売する覚悟があります。しかもデビュー作でもプロモーションにちゃんと予算をかけるのがKi-oonのやり方です。

 

数年間の付き合いになりますので、信頼関係を築き上げながら頑張って行きましょう!

  Ki-oon

「Ash & Eli」は弊社のオリジナル作品です。たきざきまみや先生はこのファンタジーの世界を作るのに、一年間以上準備を重ね、様々な資料を作成しました。アルファベットまで作っています。

お見合い条件は?

クリエイターさんによく聞かれることは、ギャラと制作ペースです。お金なしでは生きていけないので、当然のことです。


ギャラは、一ページ当たりの支払い金額を契約上で決めます。その金額はユーロではなく、で定められます。その方が日本の著者さんにとっては安心できますね。直接、単行本として発売するので、制作過程において支払われる金額は原稿料ではなく、印税の前払金となります。

 

毎月提出された完成原稿のページ数の確認の上、それに合わせた金額を翌月に支払う仕組みです。日本の漫画雑誌での連載とさほど変わらないはずです。

 

制作は日本の月刊誌と同様、最低月30ページ前後というペースで進めて頂きたいと考えています。フランスの読者は日本の刊行ペースに慣れてきたので、それに合わせる必要があるのです。

 

フランス語でこんな表現があります:「目から離れると、心からも離れていく」(Loin des yeux, loin du cœur)

つまり、どんなに好きなものでも、長い間会わなければ恋心も冷める! という悲しいけど現実的な言い伝えです。漫画に関しても似たような状況です……。

1、2巻で完結する作品なら調整できますが、シリーズ作品は年に3、4巻出さないと忘れられる恐れがあります。

   Ki-oon

▲ ネーム作成、編集担当者との打ち合わせ、ペン入れなど、フランスの出版社と言っても制作過程は日本と一緒です!
左から「予告犯」と「Roji !」のネーム、「Ash & Eli」のペン入れ状態の原稿。三点ともKi-oonのオリジナル作品です。

結ばれたら、念願の作品が誕生するのはいつかしら?

契約したら、ストーリーの大筋、キャラ設定、世界設定、そして少なくとも第一話の完成原稿が準備できているはずです。よし!これからですよ!

 

最初の3巻は、読者、そしてメディアや書店にアピールするために、あまり間を空けずポンポンポンと二ヶ月に一回発売することが理想です。その後なら刊行ペースを遅くしても大丈夫ですが、最初の3巻は勝負です。

 

そのため、発売する前に2、3巻分の原稿を貯めておくことにしています。制作ペースによりますが、準備は2年くらいかかるということです。その2年の間、完成した原稿に当たる印税の前払金を毎月お支払いします。

 

単行本の発売前の準備期間、原稿を読むことができるのは、主に著者さん、私と弊社の社長だけです。読者の目に触れるまでは時間がかかりますが、それだけ誕生が大きなイベントになります! 発売に向けて様々なプロモーションも仕掛けておきます。

 

Ki-oonの目標は一つです:少年漫画、少女漫画、青年漫画、子供向けの漫画、ジャンルを問わず全てのオリジナル作品を成功させることです!

Ki-oon

▲ オリジナル作品のプロモーションに最善を尽くしています!パリで毎年主催されているヨーロッパ最大のマンガ祭であるジャパンエキスポでのKi-oonのブースの巨大スクリーンにオリジナル作品「OUTLAW PLAYERS」の予告を流しました。日本のアニメスタジオ『ゴンゾ』に制作されたこの予告は、テレビやネットでも放送され、大反響を呼びました!Ki-oonの公式ウェブサイトでもご覧いただけます:
http://www.ki-oon.com/news/293-studio-gonzo-s-attaque-a-outlaw-players.html

作品は奇跡の出会いから始まります。

10年前に漫画業界に入ってから、漫画家さんと漫画編集者と触れ合う機会が多くありましたが、デビューのきっかけの話を聞くたびに同じ結論に至ります。

 

作品の誕生は奇跡の出会いから始まる、と。意欲的な漫画家とその漫画家のビジョンに共鳴した編集担当者の出会いはちょっと恋愛物語に似ていると思いませんか?

気のせい? 私だけかな?

 

ま、そこまで考えなくても、フランスを始め、全世界を目指したい、それか単純に面白い話を作りたい方、是非声をかけてください!

 

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Ki-oon公式ウェブサイト(フランス語のみ) : http://www.ki-oon.com/
東京オフィス連絡先:
代表名:キム・ブデン
住所:c/oフランス商工会議所
    〒102-0085東京都千代田区六番町5-5 飯田ビル
メール:kim@ki-oon.com
電話番号:03-6824-9596

Ki-oon

Ki-oonの東京オフィス代表キム・ブデンについて:講談社の国際事業局で四年半働いた後一旦帰国、三年半フランスの漫画出版社・PIKAの編集長として勤め、2015年の10月からKi-oonの在日オフィス代表として日本に戻り、現在に至る。

 

漫画企画を募集しています!

Ki-oonとの漫画制作に興味がありましたら、

  • ストーリー
  • 世界観とキャラの設定資料
  • 完成したページ(最低限一話目)

をまとめ、ご送付下さい。

 

*前記事「デビューするならフランスがアツい!日本人漫画家を育てるフランスの出版社、Ki-oonって?」