Twitterやpixivなどに投稿されるたくさんのイラスト。誰しもが自分の描いた作品を大勢に見てほしいと願っていることと思います。では、多くの人の目に止まる「映える」イラストを描くには何が必要でしょうか?
映える作画の土台として、「作画へのこだわり」が挙げられます。こだわりを持って描かれたものは、見る側にもそのこだわりが伝わってきます。男性キャラへのこだわり、女性キャラへのこだわりが、あなたのイラストの魅力になっていくものです。
また、こだわりは「フェチズム」にも密接につながっています。胸やお尻、手といった、あなたのフェチズムを感じる部位を見つけてください。フェチズムは、その部位をもっと魅力的に描こうという作画へのこだわりにつながっていきます。
キャラの属性や部位へのこだわりが、あなたの強い武器になり、あなたの絵の個性となるのです。
ここでは、技法書レーベル「いちあっぷブックス」から、『映え作画~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』より、著名クリエイターにこだわり作画テクニックをご紹介いただきます。
今回のクリエイターは、漫画家・イラストレーターのなっくさんです。なっくさんが制作した上図の作品の制作工程を通して、同氏のこだわり作画テクニックを見ていきましょう。
▼目次
設定・関係性からストーリー性を生み出そう
キャラクターの設定
キャラクターの関係性
関係性から構図を膨らまそう
アイデアをラフ画に反映させよう
構図を決める
シルエットを描く
具体的な表情を描く
設定・関係性からストーリー性を生み出そう
「映える」イラストを描くには、一枚絵からストーリー性を感じさせることで、描く側も見る側も楽しめるものにするのが重要です。このストーリー性を持たせるために、キャラクターの設定と関係性を決めましょう。
設定を決めることでキャラクタービジュアルの方向性が、関係性を決めることで構図の方向性が見えてきます。
キャラクターの設定
今回はセーラー服の女性と学ランの男性を描くことにしました。キャラクターデザインの方向性を定めるために「優等生×不良」の設定を付け加えて、デザインを考えています。
キャラクターの関係性
ストーリー性を持たせるため、2人の関係性を考えます。今回は「幼馴染」「ある日を境に成人まで仲直りできていない」といった設定を加えました。
アイデア出しには、とにかく頭の中からイメージを出すのが大切です。ここでは、付箋にボールペンで適当に描いてイメージを固めています。
関係性から構図を膨らまそう
先ほど決めた設定と関係性を踏まえて、構図を考えます。
「仲直りができない、素直じゃない2人」という関係性から、喧嘩している様子を描くことにしました。更にアイデアを広げ、コンセプトは「水槽の中でつかみ合いの喧嘩をする2人。その様子を、大人になった2人が呆れて見ている」と考えました。
大人になった2人を描くことで、一枚絵の中にストーリー性を表現するのが狙いです。
アイデアをラフ画に反映させよう
これまでのアイデアスケッチを元にラフ画を描いていきます。キャラクターの表情など、細かいところまで設定やネタを考えることでストーリーに深みが出たり、見る側を楽しませる要素になります。また、人物を描くときは、自分の得意な角度を意識しておくと良いです。
1.構図を決める
出したアイデアをもとに、それぞれの位置を考える程度に構図を決めます。
2.シルエットを描く
決めた構図にしたがってシルエットを描いていきます。
3.具体的な表情を描く
キャラクターの表情に具体的に考えて、ストーリー性を出していきましょう。今回は、女性は可哀想に見えないよう不敵な笑みを浮かべ、一方男性は必死な感じにしました。
最後に
今回は全体的にストーリー性を意識してイラスト制作を行いました。設定やキャラの関係性を先に決めていくと、イラストにストーリー性をつけやすくなります。さらに設定はキャラクタービジュアルの方向性、関係性は構図の方向性も決定づけてくれます。
続く「線画のこだわり」「塗りのこだわり」は、『映え作画 ~プロ100人が教える魅力的なキャラ作り~』をご覧ください。
まとめ
- キャラの設定・関係性を決めることで、一枚絵からストーリー性を感じさせやすくなる
- キャラの関係性から、ストーリー性のある構図を考える
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