透明物の描き方講座 飲み物が入ったペットボトル編

透明物の描き方講座 飲み物が入ったペットボトル編

今回は透明物の描き方第三弾、飲み物が入ったペットボトル編。これまでにはストッキング編とガラス玉編をご紹介してきました。

この3記事をおさえておくと、様々な透明なものに応用が利きます。今回も初心者向けに手数の少ないシンプルな方法をメイキング形式でご紹介いたします。

 

▼目次

1.ベースを作る

2.張り付いた手を描写する

3.飲み物の水面を描く

4.水面の周りの光を入れる

5.水面と底に光を入れる

6.線画の色を変える

7.容器のアウトラインの光を入れる

8.光の描き込みと透け感の強調

9.水底の光を表現

 

1.ベースを作る

ベースを作る

ペットボトル本体(灰色)と、飲み物本体(レモンソーダ)のベースを作ります。通常レイヤーで作成し、不透明度を下げて向こうが透けている感を出しています。

レイヤー構成

[通常] 飲み物レイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

2.張り付いた手を描写する

ペットボトル編

ペットボトルを握ってみると、押し付けられた手が張り付いて色が濃くなりますよね。その部分を乗算レイヤーで描写します。

 

あくまで、飲み物が透けているように描きたいので、不透明度を下げたベースレイヤーの下に、手が濃く見えるレイヤーを作ります

レイヤー構成

[通常]飲み物レイヤー

[通常]ペットボトルベースレイヤー

[乗算]張り付いた手の濃い色レイヤー(NEW)

3.飲み物の水面を描く

ペットボトル編

飲み物の水面に光が当たっているのを描写するため、通常レイヤーで薄い黄色を塗ります。また、水面のガイドラインだったアウトラインを消しました。

レイヤー構成

[通常] 水面レイヤー(NEW)

[通常] 飲み物レイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

[乗算] 張り付いた手の濃い色レイヤー

4.水面の周りの光を入れる

ペットボトル編

水面のアウトラインに光を入れます。通常レイヤーに白い線で描きます。

レイヤー構成

[通常] 水面光レイヤー(NEW)

[通常] 水面レイヤー

[通常] レモンソーダレイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

[乗算] 張り付いた手の濃い色レイヤー

5.水面と底に光を入れる

ペットボトル編

光が当たる水面と当たった光が通過する底にエアブラシで軽く光を入れます。あと、炭酸水らしく見せるために少し泡を加えました。

 レイヤー構成

[スクリーン] エアブラシ光レイヤー(NEW)

[通常] 水面光レイヤー

[通常] 水面レイヤー

[通常] レモンソーダレイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

[乗算] 張り付いた手の濃い色レイヤー

6.線画の色を変える

ペットボトル編

ペットボトルに透けている手の線の色を薄くしました。ペットボトルの奥のモノが目立たなくなり、ペットボトルと液体の透明感が描写できます。

7.容器のアウトラインの光を入れる

ペットボトル編

透明感を見せるためにペットボトル本体の線画を薄くし、表面に反射する光を描き込みました

レイヤー構成

[通常] アウトライン光レイヤー(NEW)

[スクリーン] エアブラシ光レイヤー

[通常] 水面光レイヤー

[通常] 水面レイヤー

[通常] レモンソーダレイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

[乗算] 張り付いた手の濃い色レイヤー

8.光の描き込みと透け感の強調

ペットボトル編

飲み口にも反射している光を描き込みます。さらに透明感を出すため、飲み物の周りの色に、乗算で濃いオレンジを入れました。

 

「7.容器のアウトラインの光を入れる」でペットボトルの線画の色を変えていましたが、淡すぎる色で本体の形が飛んでしまうので、ある程度形が分かるように色を変えました。

レイヤー構成

[通常] 飲み口の光レイヤー(NEW)

[通常] アウトライン光レイヤー

[スクリーン] エアブラシ光レイヤー

[通常] 水面光レイヤー

[乗算] 飲み物の周りを濃くしたレイヤー(NEW)

[通常] 水面レイヤー

[通常] レモンソーダレイヤー

[通常] ペットボトルベースレイヤー

[乗算] 張り付いた手の濃い色レイヤー

9.水底の光を表現

ペットボトル編

 最後に水底の光を強くすることで、より透明感を出します。これで完成です。

レイヤー構成

[通常]飲み口の光レイヤー

[通常]アウトライン光レイヤー

[スクリーン]エアブラシ光レイヤー

[通常]水面光レイヤー

[スクリーン]水底に射した光レイヤー(NEW)

[乗算]飲み物の周りを濃くしたレイヤー

[通常]水面レイヤー

[通常]レモンソーダレイヤー

[通常]ペットボトルベースレイヤー

[乗算]張り付いた手の濃い色レイヤー

まとめ

ペットボトルの塗り方を覚えると、飲み物が入ったグラスなどにも応用が利くので是非試してくださいね、

 

これまでのご紹介してきたストッキング編、ガラス玉編の内容をまとめると、

透明なものを描くコツは

  1. 透明=向こうが透けて見えることを表現する
  2. 周りを濃くして、真ん中を薄く見せ、透けている感を出す
  3. アウトラインに光を入れ、透明感を出す

の以上です。お付き合いありがとうございました!

著・画 林檎坂マリコ

Twitter|@mariko_0913

Pixiv|http://www.pixiv.net/member.php?id=6199553

 

専修大学、人文・ジャーナリズム学科卒。嬉しいことに、線画と色を良く褒められる。人当たりの良さそうな人物を描くのがウリ。ほぼ通常レイヤーのみで絵を描いている。好きなゲームは、スプラトゥーン・逆転裁判・ポケモン・カービィ・ゼルダの伝説など。好きなアニメはつり球。