シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(前編)
2024.08.19
ばななふぃっしゅさんによる『服のシワの描き方【初心者必見】』の動画を基に、服のシワの描き方をご紹介、今回は後編です。
前編・中編ではシワの基本や種類の描き分けについて、一通り解説していきました。
後編では実際にイラストで描く流れを解説します。これまでにご説明した内容を活用し書いていくので、まだ前編・中編をご覧になっていない方は、ぜひそちらもご覧ください。今回は実践編として、これまでの知識を活用して1枚のイラストを描いていきましょう。
▽シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(前編)
▽シワができる原理とシワの描き分けを知ろう!「服のシワ」の描き方(中編)
▼目次
シワを塗る時のコツ
1影の塗り方
シワを塗る時のコツ
2影の塗り方
シワを線で表現した線画を見てみましょう。
全てのシワを線で描くのではなく、強めのシワのみ線画にしています。
特に強いシワが入っていて線にした部分は膝の裏、曲げた肘、左脚に挟まれた上着などです。
ラフを描くときは、まず大まかに描いてから段々とディテールを描いていくという順番です。シワを描くときもそのイメージで描きましょう。
まずは大きなシワを描いてから小さなシワを追加していきます。、全体のバランスを見ながらシワを描いていくことができます。
まずは1影として大まかに陰影を描いていきます。
塗っていく前に塗るときに立体感を上手く出すコツをご紹介します。
光が来ている側の影の境界をぼかし、反対側をくっきりさせましょう。
シワの凹凸に右側から光を当てて、暗くなった場所と明るい場所の境界に注目してみるとその原理が分かります。
右の境目は光の当たり加減が徐々に減少していく陰(シェード)です。段階的に暗くなっていき、境目はエアブラシで描いたようにボケています。
生地の質感によってはここを滑らかにぼかすのではなく、にじんだ質感のブラシで境界に質感をつけると硬い生地のガサガサした感じを表現できます。
一方、左の境目は凸部分によって光が遮られてできた影(シャドウ)の境界なので、境目がくっきりとしています。
このコツを意識しつつ、まずは大まかに明暗をつけていきます。
全体に明暗をつけます。逆光なので全体的に陰になります。大まかに光を入れた後に全体を整えていきます。明るい部分と暗い部分をつなぐようにグラデーションを入れます。
デニム生地なので、Gペンや不透明水彩ペンなどの質感のあるブラシで影やハイライトの境界に質感をつけていますが、そのときに使ったブラシと同じもので服の質感をプラスするために服の色に汚しの質感を加えています。
次に2影、シワの塗りの仕上げやディテールを仕上げていきましょう。シワの影を加えて凹凸を表現したら、その凸部分のハイライトを挟んだ反対側は相対的に少し暗くなるように塗ります。
考え方としては「シワができて隣に窪みができたから暗い」でも、「明るいハイライトの隣だから相対的に少し暗くしよう」でも構いません。
上を向いている面だからと全部を真っ白にして「明るい→明るい」を連続させるのではなく、「明るい→暗い→明るい→暗い」という並びを作るのもイラストの構図の考え方で非常に大事です。
コツを使いながら、うまく立体感を表現していきましょう。
はじめは乗算レイヤーで薄めにシワを塗っていきます。大体塗り終わったら強い影の部分を暗くしたり、段階的に暗くなる部分や広い面になっている陰は薄くして調整します。先ほどと同様に影の境目はにじませて質感を出します。
最後に布の凸部分に少しハイライトを入れたらシワの完成です。
どこにシワの塗りが入っているか見ていきましょう。
まずは線画で強いシワを描いた場所や、1番目の影を補強する場所に暗めの色を追加しています。
ほかに腕のラインを掘り出す影、布の切り替え部分の段差、ボタンから生じるシャドウも加えます。
膝が曲がる部分にはかなり多くのシワがあり、足の下の方にも少し強めにシワが入ります。
しゃがんだことによる布の凹凸を表現するために、矢印の箇所にもシワの塗りを入れています。
このような少しの凹凸を表現するシワは、気持ち薄めに描くといい感じに馴染みます。
最後に、シワの塗りのもう1つの方法についてご紹介します。
まず、エアブラシで全体的にグラデーションを加えます。その後、シワの凸部分を消しゴムで消していきましょう。
厚塗りのように削り出していく塗り方でシワを描きます。グラデーションも同時に行えるため非常に便利な方法です。。自分に合った方法でシワを塗ってみてください。
前編・中編・後編にわたって、様々なシワのパターンとシワの描き方をご紹介しました。
シワの描き方に悩まれている方は、是非ご紹介した方法を取り入れてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
こちらの動画では、実際に描き込む過程と詳しい解説を聞くことができます。より理解を深めたい方は是非ご覧ください。
記事元の作者:ばななふぃっしゅ
フリーランスイラストレーター、youtubeでイラスト講座の動画を投稿。
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