デジタルイラストを描くために押さえておこう!レイヤー合成モードの使い方

デジタルイラストを描くために押さえておこう!レイヤー合成モードの使い方

デジタルイラストはレイヤー合成モードによって効果が変わり、表現の幅が広がります。

 

今回はお絵描きVtuberとして活動しているハラケンさんによる『【やり方解説】乗算?発光?レイヤー合成モードの使い方を解説します!【Clipstudio/クリスタ】』の動画を元に、CLIP STUDIO PAINTのレイヤー合成モードの使い方をご紹介します。

 

▼目次

レイヤーとは

比較(暗)

乗算

焼き込み系

 焼き込みカラー

 焼き込みリニア

減算

比較(明)

スクリーン

覆い焼き

加算系

オーバーレイ

 色味の変更

 テクスチャの追加

ソフトライト

ハードライト

ビビットライト・リニアライト

色相・彩度

カラー

 

 

レイヤーとは

レイヤーとは透明フィルムのようなもので、レイヤーを重ねることで下のレイヤーに描いたものを保ったまま新しいレイヤーに描き加えることができます。

レイヤー合成モード

今回はこちらのイラストを元にして、レイヤー合成モードの使い方を説明します。「合成モード」は「ブレンドモード」とも呼ばれており、含まれている機能は同じです。

比較(暗)

レイヤー合成モード

比較(暗)は下のレイヤーの色と上のレイヤーの色を比較して、暗い色で描かれた方のレイヤー色が表示されます。

乗算

レイヤー合成モード

乗算は下のレイヤーの色とかけ合わせて暗い色が表示されます。

レイヤー合成モード

例えば、薄い紫色でキャラクターを塗りつぶしたあとに縁を消すことで、後ろから光が当たっている「逆光」表現ができます。

レイヤー合成モード

別の使用例として、キャラクターレイヤーを複製して乗算にして、不透明度を下げることで色味を強める「コントラストの調整」も可能と、非常に便利な合成モードです。

焼き込み系

焼き込みカラー

レイヤー合成モード

選択した色よりも明るい色で表示されます。下のレイヤーが明るい場合は暗くすることができません。

焼き込みリニア

レイヤー合成モード

焼き込みカラーよりも暗い色で表示されます。

レイヤー合成モード

焼き込みリニアは「ビネット効果」を出す際に活用できます。ビネット効果を活用することで画面の周りを暗くすることで、焦点を当てたい部分が際立ち、画面を演出できます。

減算

レイヤー合成モード

減算はカラーサークルで選択した色の反対側の補色が暗めに表示されます。

比較(明)

レイヤー合成モード

比較(明)は下のレイヤーの色と上のレイヤーの色を比較して、明るい色で描かれた方のレイヤー色が表示されます。エアブラシなどで霧や煙を描くときにおすすめのレイヤー合成モードです。

スクリーン

レイヤー合成モード

スクリーンは下のレイヤーの色とかけ合わせて明るい色が表示されます。
光が当たる部分を明るくしたり、空気遠近法で奥にあるものに青色を乗せたりするときに使います。

覆い焼き

レイヤー合成モード

覆い焼きは色の鮮やかさを上げる効果があります。覆い焼きカラーよりも覆い焼き(発光)の方が光り方が強くなり、目立たせたい部分や金属の光沢などに使います。

 

明るい色を使うと白飛びして画面が見づらくなるため、カラーサークルの下半分を使うようにしましょう。

加算系

レイヤー合成モード

覆い焼きと同じように色の鮮やかさを上げて暗い色を光らせる効果があります。加算よりも加算(発光)の方が光が強くなり、目立たせたい部分や後ろから光が当たっている「逆光」表現に使うのがおすすめです。

 

明るい色を使うと白飛びして画面が見づらくなるため、カラーサークルの下半分を使うようにしましょう。

オーバーレイ

レイヤー合成モード

オーバーレイは選択した色が薄く乗り、「明るい部分をより明るくするスクリーン」と「暗い部分をより暗くする乗算」を合わせた効果となります。

色味の変更

レイヤー合成モード

オーバーレイのレイヤー合成モードを使い、空の色を変えることもできます。

レイヤー合成モード

イラストが物足りないと思ったときにはオーバーレイでグラデーションを重ねて不透明度を10~20%に下げ、色の変化を出すことも可能です。

テクスチャの追加

レイヤー合成モード

肌や服に質感をつけたいときにはテクスチャ画像をオーバーレイで重ねる方法もあります。イラストに合うように不透明度を調整していきましょう。

ソフトライト

レイヤー合成モード

ソフトライトはオーバーレイよりも薄い色味を出すことができます。

ハードライト

レイヤー合成モード

ハードライトはオーバーレイよりも強い色味を出すことができます。

レイヤー合成モード

カラーラフに色を重ねてコントラストを強める際に活用できます。

ビビットライト・リニアライト

レイヤー合成モード

ビビットライトは「覆い焼き」と「焼き込み」を合わせたような効果になり、明るい色はより鮮やかに、暗い色はより暗く表示されます。
リニアライトは「加算」と「乗算」を合わせたような効果になり、ビビットライトよりも色味が強くなります。

色相・彩度

レイヤー合成モード

色相レイヤーは彩度・明度は変えずに下のレイヤーの色相だけを変えるときに使用します。今回は右目を青に、左目を緑に変えてみました。

レイヤー合成モード

彩度レイヤーは色相・明度は変えずに下のレイヤーの彩度を変えるときに使用します。

 

今回は右目の彩度を変更しました。カラーパレットの左側で塗ると色がグレーに近くなり、右側で塗ると鮮やかな色になります。

カラー

カラーレイヤーは明度は変えずに下のレイヤーの色相と彩度を変えるときに使用します。グレーの陰影をつけた上から色を乗せるグリザイユ画法のときに活用できます。

記事元の著者:はらけんし

フリーのイラストレーターとしてTwitter、pixivを中心に活動し、YouTubeではお絵描きVtuberとしてイラスト制作に役立つ情報を発信しています。

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