SNSで自分の描いた作品を大勢の人にに見てほしいと思いませんか?
大勢の人の目を止めるには、一瞬で良さが伝わる見栄えが必要です。特に全身を魅せるイラストでは、いかにして魅せるポイント=「映えるポイント」を描けるかが「映える作画」のポイントではないでしょうか。
映える全身イラストを描く表現のひとつとして「首の動き」があります。首を適切に描くことでキャラクターの動きがより伝わり、色気やかっこよさを演出し、見る人の目に留まりやすくなります。
今回は、技法書レーベル「いちあっぷブックス」から、新発売の『映え作画 キャラクターの魅力を引き出す 心を動かすイラストの描き方』より、「顔と身体をつなげるスマートな首の描き方」をご紹介します。
首は多くの筋肉がつながっており、イラストの破綻も見えやすい箇所です。肩とあわせて構造や動き方を学び、違和感のないイラストを心がけましょう!
▼目次
首の構造を理解しよう
首周りは角度によって見た目が大きく変わる部位です。どのように見た目が変わるのかを知るために、まず骨や筋肉の構造を把握しておきましょう。
横向きに見たときの首の構造
イラストの真ん中のとおり、首の筋肉は頭とつながっていることが分かります。黄緑色の部分は胸鎖乳突筋といって耳の後ろから胸骨と鎖骨につながる筋肉で、首を横に向けると斜めに浮かび上がってくる筋肉です。
正面から見たときの首の構造
正面から見ると胸鎖乳突筋が胸骨と鎖骨につながっていることがよくわかります。その周りのオレンジ色の部分は僧帽筋といって、後頭部からのびて鎖骨外側にくっついている筋肉です。この筋肉を意識して描くことで背中の形に説得力を持たせることができます。
右端のイラストのように正面を向いてるキャラクターを描く際は、三角筋と大胸筋の隙間が少しへこむように描くこともポイントです。
首周りの単純化と肩周りの動き
首周りの構造は情報量が多く、複雑で混乱しがちです。身近なものに置き換えて単純化して描きましょう。
首周りを単純化してみよう
まず上記のようにそれぞれのパーツを単純化して考えます。
まず、頭の下に円柱とスイカ、ハンドルをくっつけましょう 。そして 耳の後ろからリボンをつけて(①)凹四角形(手裏剣の変形)を羽織らせると、首周りの筋肉を意識しつつ単純に描くことができます。
肩周りの動き方
肩関節は上腕骨、鎖骨、肩甲骨の3つで構成されています。それぞれ筋肉でつながっているため、腕を上げると鎖骨も一緒に動きます。
どのような動きをしているか、見てみましょう。
片腕を上げる時
鎖骨は左右バラバラに動かすことができます。(①)そのため左右の鎖骨はそれぞれの腕の動きに合わせて描くようにしましょう。
両腕を上げる時
腕を上げると肩甲骨の下の方が外に開きます。
両腕を後ろに回す
後ろに回すと肩甲骨が寄ります。
肩と腕を大きく上げる
腕を大きく上げると肩はかなり自由に動き、可動範囲がとても広いことが分かります。(①)
このように動きによって肩回りの筋肉の動きも変わってきます。模型などを使いながら動きを確認していくこともおすすめです。
頭と首をつなげて描こう
頭は首の骨や筋肉によって支えられているため、ひとまとまりとしてとらえましょう。また、不自然なキャラクターに見えないように首の可動域も把握します。
首の可動範囲を覚えよう
首の中央より少し背中側に頸椎があります。中央を軸に曲がります。どのように曲がるのかイメージしやすいように例を見ていきましょう。
⃝左右 約50度
⃝回旋 約60度
⃝真上 約50度
⃝真下 約60度
このように首は頸椎の中央を中心に動くようになっており、おおよその可動域を把握し描くことでイラストに説得力を持たせ、不自然さをなくすことができます。首の可動域は覚えておきましょう。
下あごの描き方
アゴとエラの凸凹を端折ってシンプルにするとデフォルメ感がアップします。上を向くほどアゴとエラの角を無くしていくとよいでしょう。
作例から見る首の描き方
胸鎖乳突筋は首の根元から胸骨、鎖骨に向かいV字についています。
頸椎はカーブしているので首も斜めになりやすいので気を付けたいポイントです。
僧帽筋と鎖骨、肩によってできるくぼみを加えると説得力が出ます。
あごのラインの凹凸をしっかり描くとリアル寄りのテイストになります。
頸椎の骨は浮くが、脂肪や筋肉が多い場合、この骨は隠れます。
僧帽筋が首後ろから鎖骨に回り込む線を描いて、筋肉の動きを表現しています。
左の胸鎖乳突筋に負荷がかかり、筋として浮き出ています。
まとめ
- 頭を含む首周りの構造を理解し覚えよう
- 首周りの構造を単純化し意識して描こう
- 頸椎は首の中央より少し背中側にあり中央を軸に曲がる等、動きと構造を覚えて描こう
続きは、『映え作画 キャラクターの魅力を引き出す 心を動かすイラストの描き方』(著・いちあっぷ編集部)にてお読みください。
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