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「DeNA×MUGENUP ハッカドール2号 夏エンドカード制作コンペ」採用作品の決め手は…伝わりやすさ!

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「DeNA×MUGENUP ハッカドール2号 夏エンドカード制作コンペ」採用作品の決め手は…伝わりやすさ!

ハッカドールとは?

DeNAが運営するスマートフォン向けニュースアプリ『ハッカドール』は、可愛い3人のキャラクターがサブカルチャーに特化したニュースをお知らせしてくれる人気アプリです。

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『MUGENUP STATION』で『ハッカドール』メインナビゲーター:ハッカドール2号の夏イラストを制作するコンペを実施しました。 応募数236点のうち、見事5作品が採用となりました! 今回はDeNAの『ハッカドール』の担当者、岩朝氏がどんな観点から採用作品を選んだかを解説します。 受賞作品に共通している特徴や、商業イラストで重視されるポイントを一緒にチェックしましょう。

   

 

 
おめでとうございます!こちらが今回の最優秀作品です。
ハイライト、シャドウ、光源を意識しつつ丁寧に塗られたグラデ肌の質感など魅力的に描かれています。特に、太ももや胸のボリューム感が陰影でしっかりと表現されています。
またディテールの描き込みもいいですね。砂のザラザラ感と、肌のすべすべ感、水着の光沢感という異なる質感の対比が出来ています。
構図も良く考えられています。

  • 画面手前:砂のお城
  • 中景:人物
  • 遠景:海(その手前に浮き輪)

という構成で、単調になりがちな海辺でも距離感、立体感を上手く表現できています。

髪の毛の色は、設定資料からスポイトで抜いたものをベースにしていると思います。夏の砂浜の強い日差しを表現する為に、設定資料よりもシャドウやハイライトをもっと強めてみましょう。コントラストが強い、夏っぽい画面に仕上がるでしょう。設定を逸脱しない範囲でのカラー設計ができるとなお良いですね。
眉毛が少し漫画的な表現で、リアルに描かれている身体とのチグハグ感を感じました。眉毛のライン取りひとつで表情は大きく変わると思います。いろいろ試行錯誤してみると、グッとレベルアップしますよ!

 

 

 
水彩のようなテクスチャが効いた塗りが素朴な雰囲気を出しており、とても素敵なテイストの作品です。色使いがとても綺麗ですね! 帽子のリボン、ドレスのボタン状のパーツに緑を差し色に使ったのが効いています。ベースの赤系の色味とうまくマッチし、派手過ぎず華やかな雰囲気に仕上がっています。
照れながら帽子を押さえ、カメラに目線を向ける素朴な表情と、リアルテイストに描かれた口元が無防備に開いている様子が自然ですね。旅行先のスナップ写真のようで、「そこにいる感」がうまく出ています。

独自のテイストで既に完成されていますが画面がおとなしいのが少し残念です。パっと見で人を惹き付ける工夫を足してみましょう。例えば、目玉を少し明るくし、ウルウルとさせるグロー効果をほんの少し足してあげるだけで、目力が上がり印象的な一枚に仕上がります。また、ドレスの布の透け感はもっと出しても良いでしょう。よく見ると画面右腕の辺りにベージュのアンダーウェアが少し覗いて見えます。このアンダーウェアが少し透けるような形で胸元を書くと、サマードレスのような、通気性のよい薄い生地の質感が強調できると思います。

 

 

 
真下からキャラクターを見上げるようなアオリ構図と、勢いよくシャツを脱ぐ大胆な姿が印象的な作品です。下乳の迫力もうまく出して、おへそ回りのセクシーさも表現できています。なおかつ夏のカッとした青空まで一気に見せる、おいしいんだけど難しい構図とポーズをしっかり描き切っていて非常に魅力的ですね。しっかりカメラ目線で決まっているのも良いです。こういったトリッキーなポーズを描こうとすると、描きながら悩みだして、だんだんカメラでアオリ構図を中途半端にしたり、顔だけパースが変わってしまったり……という問題がおこりがちです。こちらのイラストはそれらの問題をうまく収めつつ、魅力的な表情を描くのに成功しています。
背景の空もよく描けていると思います。昼あたりの一番太陽の位置が高い時に、密度の高い入道雲についた色濃い陰影を入れたことで、夏の暑さが伝わってきます。また足元に水しぶきを描いている事で、非常に爽やかに仕上がっています。

これは考え方にもよるのですが、イラストチックな光源の設定が少し気になりました。

  • 下腹部や太もも:画面の下に強い光源
  • 髪の毛や顔の辺り:画面左上からの光源

となっている光源を整理し、また肌には髪の毛の落ち影を描くなどでより説得力が増します。現状の作品で既に完成度は高いので、このイラストが最も綺麗に見える光源を探してみましょう。

 

 

 
細かなディテールまで描かれ、情報量の多い「見ごたえのあるイラスト」ですね。アイテム、衣装、風景がイラストの設定をしっかりと説明できているため、一枚のイラストから様々なストーリーや、この前後のやりとりが想像できて非常に楽しいです。
画力の高さを感じさせる身体の造型、小物等のテクニックから立体感のある描写に優れていると感じました。指や手の省略や柔らかな表現にもこなれ感が出ています。
また、光源や色の使い方が上手いです。

  • 近くにいる2号:オレンジ系の光で強めに照らしてスポットライトらしさを表現し、体の立体感を強調
  • 遠くにいる1号と3号:光を使わず、全体的に青系の色で塗る

という区別で、画面の手前と奥で赤と青と色のコントラストをつけています。これが夕方らしい自然光の表現にも繋がっています。
非常に良いイラストですが、景色の雲や空の色合いが全般的に単調になっているのが惜しいです。例えば、これがバリやグアムのようなエキゾチックな南国なら、青はもっと濃く鮮やかな色で塗ってみましょう。日常で見ない色を使うと、異国感が表現できます。また雲は夕方か夜かによって見え方は変わります。例えば、ビーチサイドで見える夕方の雲は、周りが海なので太陽を遮るものが無く、西日が雲を地平線ギリギリまで真横から照らします。その色合いを出す為に雲に紫のシャドウを入れると、異国情緒が溢れる演出となるので試してみましょう。

 

 

 
色合いが印象的な一枚です。

  • 白い肌と黒い水着
  • 水中に広がる黒いパレオにひいた群青のバック
  • その上から散らされた、ハイビスカス赤と南国風の白い花

など、色の対比や配置にリズム感がありますね。大人っぽく華やかな雰囲気が良く出ています。キャラクターのポージングと構図も、もっとも見せたい顔の表情と胸元が画面の中央に来ていて良いですね。「魅せる」意図でパーツの位置を決めていることが分かります。
ハイライトを用いた透明感のある塗りで、キャラクターが明るく魅力的に見えるのも好感です。
少々ハイレベルな話になりますが、アニメのキャラクターやゲームのキャラクターなどの商業イラストを想定するならもっとディテールを詰めると良いでしょう。現在の線画はメリハリが効いた漫画的なテイストで味がありますが、商業イラストとしては少し荒っぽさを感じる場合もあります。ペン先の太さを変えるか、現在の倍サイズのキャンパスで描くなど、線のタッチを抑えてみましょう。線画と同様に塗りも丁寧にこだわることで、よりリッチになるでしょう。

 

ポイントはズバリ、一般ユーザーの視点

受賞作品はどの作品も、夏らしさや2号の魅せどころがよく出ていました。その中でどれを最優秀作品に選ぶかで考慮したのは、いわゆる「イラストレーターではない人の視点」、つまりアニメを見る一般的な視聴者やアプリのユーザーから見てわかりやすいか、魅力が伝わりやすいかです。

最優秀作品のイラストは、パっと見での目新しさや奇抜さはないかもしれません。しかし構図や塗りなどの丁寧な仕事振りと、押さえるところを確実に押さえて描けていることで、総合力の高い作品に仕上がっています。どんな人から見ても、違和感を感じずに自然と受け入れられるイラストのポイントです。

商業イラストレーターに求められる力

イラストを見たたくさんの人が「夏らしい!」と感じ、イラストをきっかけに「2号はセクシーなお姉さんキャラなんだな!」とキャラの魅力を認識することになります。この魅せどころの伝わりやすさは、多くの商業イラストレーターにとって非常に大事な要素です。
イラストに興味がある人の視点だけで成立しない点や、幅広い層からのフィードバックを得られるのも商業イラストならではの面白さや醍醐味と言えますね。この視点は、思考と技術の積み重ねによって身についていきます。その感性を忘れず、大事に育ていっていただければと思います。

 

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