OK例とNG例で理解度UP! 線画で立体感を表現する3つのコツ
2015.03.31
線画は簡単にみえて実は難しい作業です。例えば「ラフ画では上手に見えたけど線画にすると変に見える」など線画のクオリティはイラスト全体の仕上がりに直結します。
ゲームイラストを制作しているMUGENUPの線画が特に上手なアートディレクターに一番必要な線画のコツについて聞いてみました。
答えは「経験」でした。
とにかく経験値を上げることが上達の鍵ですが、何も考えずに練習しても効果は期待しにくいです。そこで今回は線画を上達させるテクニックをご紹介します。3つのコツを意識しながら描き、線画のクオリティを格段にアップさせましょう。
ひとつめは「線の太さ」をコントロールすることです。
・太い線:距離が近いもの(手前にあるもの)、オブジェクトの輪郭
・細い線:距離が遠いもの(奥側にあるもの)、質感表現の線、細かいもの
というように線の太さを使い分けることで、立体感が感じられる線画になります。
ふたつめは「線の入り抜き」です。
「入り抜き」とは、一本の線を引く時の「入り=描き始め」と「抜き=描き終わり」のことをいいます。意識的に、入りと抜きの線を補足することで線に抑揚が生まれ、服のしわや髪などの柔らかい質感表現に効果的です。
オブジェクトがつながっている箇所は、入り抜きで線の太さを変えないことで線がつながっていることをわかりやすくします。
最後は制作物によって線を使い分けることです。シャープな線が良いこともあれば、ギザギザ(アンチエイリアスがかかっていない)な線が良い場合があるなど、イラストのテイストによって線の質を使い分けると仕上がりが良くなります。
■硬い線画
硬い線画とはギザギザしている線です。硬い線画で描かれたイラストは塗っても、線と塗りが馴染まないので、完成すると線がハッキリと見えます。
ゆるキャラやスタンプなどの線を見せたいキャライラストで効果的な方法です。
■ペンツールの線画
ペンツールの線画はギザギザせず、輪郭がぼやけていない線です。基本的な線画テイストなのでゲームイラストなどでよく使われます。ペンツールの線画を塗ると、塗りと線がほどよくなじむため、線が見えるけど目立ち過ぎない仕上がりになります。
■ブラシの線画
ブラシの線画はぼやけた線です。描く人によってムラがでるので作家の個性がでやすいです。最も塗りが馴染みやすいので、線を極力見せたくない場合や、最終的に線も着色して消してしまいたいときにおすすめです。
線画の仕上がりが塗りにも影響することがわかったと思います。
この3つのコツを意識するには「丁寧さ」が一番の鍵です。ラフ画を元に線をなぞるのではなく、丁寧に線画を描くことを肝に銘じておきましょう。
いちあっぷ講座では他にも線画の講座があります。合わせてチェックして、スキルアップに繋げてくださいね。また、あなたの実践している線画テクニックがあればtwitterの@ichiupへ意見をお寄せください。