基礎力UP!立体感を表現する際に必要な2種類の光を覚えよう
2015.01.02
「自分の絵に立体感が出ない……」と思っていませんか?
イラストが平面的になってしまう理由は、「光」の扱い方にあります。
それでは、どうすれば立体感のある絵が描けるのでしょうか?
まず、立体感を描写するには光に関する以下の3つを定めます。
1.光源の設定
2.形状の設定
3.明暗の順番設定
これらを設定することにより、光が現実と同じように表現できるため、イラストが立体的に描けるようになります。
ただし、この3つを設定するには「光の原則」を知らなければなりません。
こちらのイラストを見てみましょう。立体感のある絵とない絵です。
なぜ立体的に見えるのでしょうか。理由は「光」です。
光が当たることにより「明るい」部分と「暗い」部分ができ、人はその明暗の差(明るいと暗い)を利用して立体を把握しています。これが光の原則です。
本来3次元上に起こるこの事象を、2次元(イラスト)上に「白いと黒い」に置き換えることで2次元を3次元的に見せることができます。
立体物を目で認識するには、光の発生源である「光源」が必要です。私達の目は光源(太陽・月・火・電球など)から発せられる光が、物体に当たったときの明暗の差を利用して立体を把握できるよう進化しました。
▽光源の基礎知識を知りたい方はこちら
上図は光源の意識ある・なしで描いたイラストです。
どちらも色数が多く密度はありますが、光源の意識をしていなかったり、明暗をどこに描けばいいかわからなかったりする場合は左のキャラのように規則を無視した明暗をつけてしまうため、立体感が欠けてしまいがちです。
立体感を表現するために「光の原則」に則ります。
光が物体に当たった際の見え方には法則があり、
1.光源の設定
2.形状の設定
3.明暗の順番設定
の3つの方法を押さえることで立体的に見せることができます。
こちらのキャラクターを使って解説します。
このイラストでは光源を画面左上に設定しました。
人間は太陽の光が上から降り注ぐ環境に対応しているため、上から光を当てた見え方のほうが自然に感じるからです。なので、特別な演出を必要としない限り、光源は画面の上に設定するのが良いでしょう。また、今回はキャラクターを可愛く見せるため、キャラの顔に影ができにくい位置にしたかったと言う意図もあります。
このように光源の位置によってキャラクターに与える印象が異なるので演出意図に合わせて設定すると良いです。例えば、地面側に光源に設定した場合、幻想的な雰囲気や怪しい印象を持たせる効果を得られます。
▽詳しくはこちらの記事をチェック!
光源を決めたら、上図のようにキャラクターがどのような形状になっているのか想定し、明暗を捉えやすくするために面を設定します。
形状を想定するためにイラストに網目を描く必要はありません。頭の中でイメージして下さい。
なぜこのようなイメージを持つ必要があるかと言うと、明暗は物体の形状に沿って決定されるためです。なので、描く対象がどのような形状なのか分からなければ明暗を追加できません。
立体感を表す明暗は物体の形状に沿って決定されるので、描く対象がどのような「形状」なのかを想定し、それに合わせて明暗を追加します。
続いて、設定した「光源」と立体の「面」の関係に合わせて明暗を決定します。
まずは明暗の特徴を押さえましょう。
明暗には「光源を向いた面が一番明るく(白く)なり、光源に対して角度がつくほど暗くなる」性質があります。
では、明暗の特徴を踏まえた上で8角柱に光を当てて、明暗がどのように立体感を与えているか確認してみましょう。
光源と面を決めることで、明るくなる面と暗くなる面が分かりやすくなりましたね。
8角柱を見ると光源の向いた「1」が一番明るくなり、反対側にある「5」は一番暗いです。面を細かく設定することでどこを暗くして、どこを明るくすればよいかが分かり、立体感を表現出来るようになります。
キャラクターに応用しました。
光源を向いた面が明るくなっているのが分かると思います。面を意識することで衣服や髪の明暗が掴みやすくなり、立体感が分かりますね。
以上、3つの方法を実践することで立体的に見えるようになります。
今回はアニメ塗り(ベタ塗り)のキャラクターイラストを例に紹介しましたが、ブラシ塗り、厚塗りなどすべての塗り方に共通する方法です。
基礎となる法則を押さえずに手癖で間違った明暗を描き続ければ画力の成長は伸び悩みます。
その為にも明暗の法則に則り
1.光源の設定
2.面の設定
3.明暗の順番設定
を必ず押さえましょう。
普段見ている道端の風景に光がどのように当たっているのか考えながら歩くだけでもトレーニングになります。
リアルな厚塗りは面や形状の認識が難しいので、まずはアニメ塗りで光と影を習得して、ハイレベルな制作にチャレンジしましょう!