机やイス、家具の描き方講座 これでノベルゲーム背景イラストが描ける!~彩色編3~
2018.03.27
ノベルゲーム背景イラスト講座です。「主人公の部屋」のような”ゲームでよく登場する室内の背景”をモチーフに制作手順や描き方のポイントをご紹介するシリーズ。
前回は家具の描き方をテーマに紹介しました。今回は引き続いて、ベッドや照明、カーペットの描き方をテーマに解説していきます。
全四回に渡る彩色編の最後となります。室内背景が描けるようにご参考下さい。
▼目次
ベッドは主にブランケットや枕などの布地のしわに気を付けて描きましょう。
しわについてはカーテンと同じように描けばよいですが、上の面と側面に跨ってブランケットが掛っていますので、しわのつながりに気を付けるようにしてください。
ベッドサイドのテーブルと、上にあるランプはまとめて描いていきます。
ランプの台座の映り込みを、テーブルの天板面に入れておくことで、テーブルの中央にランプが置かれているように見せられます。
天井の照明は点灯している状態として着彩します。
この構図では照明の覆い(シェード)だけが見える状態ですので、このシェード自体を光源として設定します。
後で電気を消すことを想定して、必ずレイヤーを分けて作業しておきましょう。
シェードはホワイトで着彩せず、ベースは少し暗めの色合いにします。その上にホワイトで光源に近いところがより明るくなるように明暗をつけます。
そのあと、シェード部分の下にレイヤーを追加し、シェードのフチに沿ってブラシを掛けるなどして、少し光が滲んで見えるようにします。
さらに、シェード部分の上にソフトライトモードのレイヤーを追加し、ソフト円ブラシなどのフチがボケたブラシで全体にぼんやりと光っている効果を追加します。
カーペットは表面の毛羽立った質感をどのように表現するかがポイントです。
テクスチャで模様や柄を入れてもよいですが、それだけでは質感をうまく出すことができません。通常の丸いブラシでは描画が難しいので、Photoshopのプリセットブラシを利用して描くとよいでしょう。
Photoshopにプリセットされているブラシの中で、「パステル(中)」・「はね(〇〇px)」ブラシは布地のような質感を表現するのにオススメです。
このようなブラシは、通常のブラシのように引っ張って使うのではなく、スタンプのように押して使うとよいでしょう。
カーペットのベースカラーは少し暗めに塗りつぶしておき、少しずつ明るい色で、質感をつけていくとよいです。
ベースを塗りつぶす際にエッジがはっきりとしていると毛羽立った雰囲気が出ないので、上から描き込むと毛羽立ちが立体的になります。
全4回に渡って、一通り着彩が完成しました。
ただし、この状態ではまだ窓外からの光の効果など、全体の雰囲気の調整ができていません。次回は最終的な仕上げの方法と、夕方、夜などの時間帯のバリエーションの制作方法を紹介します。
着彩の工程は長く、時間が掛りますので、一つひとつ丁寧に作業していきましょう。
これら背景イラストは自著である『背景CG上達講座』(翔泳社)に詳しい解説がありますので、よろしければそちらもご参考下さい。
▼『背景CG上達講座』
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798137568
pixiv https://pixiv.me/bcd
twitter https://twitter.com/poskara
フリーランスのイラストレーター。専門はゲーム・アニメの美術設定、背景イラスト制作を手掛けています。イラスト制作業務のかたわら、専門学校で背景イラスト・アートワークの講義を担当。
著書に「背景CG上達講座」(翔泳社)。講師としては、岩崎学園横浜デジタルアーツ専門学校 非常勤講師、専門学校東京ネットウエイブ 非常勤講師、バンタンゲームアカデミー 講師を勤めています。