絵柄を保ったままで! キャラクターを描き分ける方法 その5

絵柄を保ったままで! キャラクターを描き分ける方法 その5

どのキャラクターを描いても同じ顔になってしまう……という悩みを解消するために「キャラクターを描き分ける方法」を身につけましょう。全5回シリーズの最終回は、今まで紹介した方法を利用した実践と共通ポイントをご紹介します。

 

▼目次

これまでのおさらい

自分の絵柄をなくさずに描き分ける

 自分の絵柄を知ろう

 絵柄に迷ったら……

描きたいキャラクターを分析しよう

 デザインが確定していない場合

 三分割して特徴を掴もう

絵柄とキャラクター設定を融合しよう

 

※今回は「顔」を描き分ける方法のみ扱っています。

 

 

これまでのおさらい

キャラクターを描き分けるとは、言い換えると「キャラクター設定の違いを描き分ける」ということです。

 

「違いを伝えるためのデザイン」「機能を伝えるためのデザイン」「性格を伝えるためのデザイン」という3つのデザインを盛り込み、キャラクター設定をイラストに反映させましょう。

 

前回の講座

 

自分の絵柄をなくさずに描き分ける

 

目標を再確認しておきましょう。キャラクターを描き分けるといっても、元デザインをそのままそっくり描き写すのであれば、模写になってしまいます。今回の目標はあくまで「自分の絵柄を保ったまま、色んなキャラクターを描き分ける」ことです。

 

自分の絵柄を知ろう

描き分けのコツ

 

自分の絵柄をなくさず描き分けるために、まず自分の絵柄の特徴を知りましょう。把握するための最も効果的な方法は「現実の人間と比べる」ことです。

 

絵とは、写真の模写でない限り、少なからず現実をデフォルメ(誇張)して描かれています。絵柄も同様です。「人によって絵柄が違う」とは、「人によって現実に対するデフォルメの仕方が違う」ということです。
 

描き分けのコツ

 

絵柄はただの手癖だと思ってしまいがちですが、具体的にいうと、現実の存在の

  • どこを省略(-)するか
  • どこを過剰(+)にするか

によって絵柄が決まります。

 

現実の人間は最も「明暗(コントラスト)の差」が多い状態です。髪の毛一本一本に至るまで影やハイライトがつき、途方もない情報量を含んでいます。

 

絵を描くとは「情報量を操作する」行為です。影の付け方を単純化したり、目力アップのために目を細かく描き込んだり、普段の自分がどんなデフォルメの仕方をしているのか観察してみましょう。

 

絵柄に迷ったら……

余談ですが、「絵柄を変えたい」「自分だけの絵柄が欲しい」と悩んでいる方も多いでしょう。

 

その場合も、まずは現実の人間を観察することから始めてはどうでしょうか。前回までの講座で紹介した通り、各パーツの形状やサイズによって見る人が受け取る印象は違います。

 

「見る人にどんな印象を与えたいのか」が絵柄探求の鍵です。絵柄をただの「癖」と認識するだけではもったいない! 見る人への印象を操作する「技術」だと考えてみてください。そうすることで表現の幅がぐんと広がると思います。

 

描きたいキャラクターを分析しよう

描き分けのコツ

 

自分の絵柄の特徴を押さえたら、次は描きたいキャラクターを用意しましょう。

 

デザインが確定している既存のキャラクターでも、まだ設定しかできていない未知のキャラクターでも構いません。

 

描きたいキャラクターの特徴を今まで紹介した「違いを伝えるためのデザイン」「機能を伝えるためのデザイン」「性格を伝えるためのデザイン」に当てはめ、絵柄が変わっても残さなくてはならない部分をピックアップしていきます。

 

デザインが確定していない場合

まだ設定しかできていない未知のキャラクターを描く場合も方法は同じです。用意した「ツンデレ」や「気が弱い」などの設定に対応した特徴をチョイスして素体に盛り込んでいきます。

 

三分割して特徴を掴もう

特徴を盛り込んだのに、用意したデザイン(もしくは用意した設定)とどこか印象が違うと感じる場合は三分割してチェックしてみると良いでしょう。

 

各パーツを三分割にして、それぞれの特徴を見つけ出していきます。

 

描き分けのコツ

 

たとえば、画像のように同じ「外ハネ」の髪の毛でも、全体がハネているのか、部分的にハネているのか、によって「外ハネ」がもたらす効力が違います。

 

描き分けのコツ

 

このキャラクターだと、上部はハネがほとんどなく、中部に外ハネが集中し、下部は正面から見ると襟足部分しか見えません。また、前髪は中心部分だけがタレていることがわかります。

 

描き分けのコツ

 

目などのパーツも三分割にして「どこが最も高い位置にあるのか」を探っていきます。細かい形状は度外視していいですが、シルエットの形状を左右するトップの位置などは重要です。

 

描き分けのコツ

 

また、三分割とは違いますが、「耳が見えているか、見えていないか」も意外と肝になる部分です。要するに「もみあげ」の有無や長さです。

 

絵柄とキャラクター設定を融合しよう

 

描き分けのコツ

 

描きたいキャラクターの特徴をピックアップできたら、それ以外の部分を思い切って削除してしまいましょう。そして、削除した部分を自分の絵柄の特徴に置き換えてしまいます。

 

元デザインがあるからといって、全てのパーツを再現する必要はありません。もちろん大人数で作るアニメのように自分の絵柄を主張できない場合は除きますが。「キャラクター設定を反映する部分」さえ残していれば、絵を見る人は「あのキャラクターだ!」と判別してくれます。

 

まとめ

大切なのは、「絵を見る人がキャラクターを識別している部分」を見つけ出すことです。なんとなく似ていればいいと思いながら描くより、「どのパーツがどうなっているから似ていると判断されるのか」を考えて描くことで、「作者の顔」である絵柄を殺すことなく自由自在に色んなキャラクターを描き分けられます。

 

著・画 ゼロモモ

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