3つのポイントを押さえて可愛さUP! 立体感が出るフリルの描き方講座
2016.03.30
以前いちあっぷ講座でフリルの描き方の紹介をしました。
それを参考にし、「フリルの描き方が分かってきた」と感じているそこのあなた! いつも同じようなフリルばかり描いていませんか?
よく女の子の服を見てみると、デザインや素材が違う様々なフリルが、より可愛らしく見せるために使われています。今回は前回の記事の応用編として、今までのフリルに“ちょい足し”するだけで大きく見栄えを変える方法を紹介します。
そもそもフリルとは、1枚の布をキュっと縛った形をイメージしてもらうのが一番かと思います。
左側の一枚の布を矢印部分で縛った感じです。
このときにできた、赤い破線で囲った部分が一般的にフリルと言われている部分になります。
普段皆さんが目にしているフリルはこの連続の状態がほとんどではないでしょうか。
今回はこちらのよく見る形状のフリルにちょい足しをして、どのようなデザインの変化があるかを紹介します。
まず、一番簡単なアレンジ方法を紹介します。フリルの裾部分に模様をつけてみましょう。
このように、模様をつけるだけでも、フリルの印象が変わりますね。
次に縫い目をつけてみます。縫い目ですので布の裏側まで糸が通っていることをイメージしてください。
フリルとは言っても元々は1枚の布です。
布の裏側も繋がっているということを意識すると、より構造に則った模様をつけることができます。
次に模様の穴を開けて見ましょう。
先ほどの縫い目をフリルにつけることが出来れば、その応用で穴をあけたりすることも可能です。
布の裏側がどうなっているのかがわかってしまえば、このようにしっかり模様の穴をあけられます。
こちらのアレンジは服というよりも、小物の装飾などに向いているかもしれません。
今度はフリルの裾にレース模様のパターンを簡単に加え、変化をつけました。
一番パッと見で分かりやすい変化があり、最初のフリルと比べてかなり違うように見えます。しかし大元の形はそのままだったりします。めんどくさいなぁ、と思う方はここまでしなくとも、例えばギザギザにしたりするだけでも良いでしょう。
フリルを描くときに、布の裏の線まで描いておくことによって、半透明な材質のフリルを描けます。
例えば、夏などに水着を描く際やロング丈のワンピースなどに透け感を出して清涼感を演出してみるのもいいかもしれませんね。
裾の形状やデザインを足す以外のアレンジ方法も沢山あります。
薄手でサラサラした布だと、ひだが多くできるものもあります。
ドレスにあしらうとエレガントさが増す表現です。
フリルを2層に重ねるだけで、ゴージャス感やボリューム感がアップします。
重なったフリルを多用したロリータ風、ゴスロリ風の衣装のデザインで使われることが多いです。
イラストに使うフリルはこのようなアレンジをすることによって、視覚的な情報量が、飛躍的に上がります。
情報量が上がれば、相対的にイラストの完成度が高くなったように見えるでしょう。
ただ、1点注意しなければならないのは、元々情報量が高めだったフリルにもっと情報量を持たせることによって、そこにばかり目が行きやすくなってしまうという点です。
例えば、本当なら女の子の表情を一番見せたいのに、レースフリルを大量に描いてしまい、顔が目立たなくなってしまう、などです。イラストを描く時には、「一番どの部分を魅せたいのか」という点を意識しながら制作しましょう。
いかがでしたか。フリルひとつ取っても色々なバリエーションやアレンジが存在します。
普段何気なく描いているフリルも、ひと手間を加えることによって、見栄えが変わって新しいデザインが生まれるのではないでしょうか。
季節感に合わせたフリル、ちょっとしたワンポイントアクセントとしてのフリル、手を加えてレース風に……貴方だけのフリルアレンジを楽しんでみてください!
[著・画:乃樹坂くしお]
Twitter https://twitter.com/ku_shi
2009年から絵を描き始め、2013年からフリーランスとなった駆け出しイラストレーター。大人になってからイラストを1から始めるなんて遅くない、と証明するために日々積み重ねています。